
冬は、体も心も縮こまりやすい季節です。
寒さで外出が減り、家の中で過ごす時間が長くなると、楽しみが少なく感じる日もあります。
そんなとき、やさしい甘さの温かいおやつがあるだけで、気持ちがふっとほどけることがあります。
ただ、高齢者の方は「噛む力」「飲み込む力」に個人差があり、硬いもの・パサつくもの・冷たいものが負担になることも少なくありません。
だからこそ冬は、やわらかくて飲み込みやすい、体が温まる手作りスイーツがおすすめです。
この記事では、高齢者向けの冬の手作りおやつレシピを10品厳選してご紹介します。
それぞれ「説明→材料→作り方→栄養→ポイント」の順に、介護中の方にも分かりやすいように丁寧にまとめました。
「今日は何を作ろう?」と迷ったときの保存版として、ぜひ役立ててください。
この記事の目次です
第1章|冬の高齢者は「食べること」が難しくなりやすい
冬は寒さそのものだけでなく、体の内側のリズムも乱れやすい季節です。
若い人なら「ちょっと疲れた」で済む変化でも、高齢者の方は食欲や飲み込みやすさに直結しやすくなります。
たとえば、冬に起きやすい変化としては次のようなものがあります。
冬に起きやすい変化(高齢者)
| 変化 | 起こりやすいこと | おやつでの工夫 |
|---|---|---|
| 乾燥(口の中が渇く) | 飲み込みにくい・むせやすい | しっとり・とろみ・温かいもの |
| 運動量が減る | 食欲が落ちる・便秘になりやすい | 食物繊維や発酵食品を少し足す |
| 冷え | 胃腸が弱りやすい・食が細くなる | 温かいミルク・豆乳・かぼちゃなど |
| 噛む力・飲み込む力の個人差 | 硬い・パサつくものが負担になる | やわらかさを調整できる手作り |
冬のおやつを「温かく・やわらかく」するだけで、食べやすさはぐっと変わります。
特に、冷たいスイーツよりも、温かいミルク系・蒸し系・とろみ系は、口当たりがやさしくなりやすいのがメリットです。
温かいおやつは食べやすい反面、熱すぎると口の中をやけどしやすくなります。
また、のどの状態によっては、さらっとした液体や粉っぽい食感でむせることもあります。
「温度」と「食感」は、その日の体調に合わせて少しだけ慎重に調整してあげると安心です。
手作りおやつの良いところは、甘さややわらかさを「その人に合わせて」変えられる点です。
市販品だと硬さや甘さが固定ですが、手作りなら
・水分を足してしっとりさせる
・片栗粉や葛でとろみをつける
・小さめサイズにして一口量を調整する
といった工夫がしやすくなります。
温かい甘さは、体の負担が少ないだけでなく、気持ちの切り替えにもなりやすいものです。
食事が細くなった日でも、「少しだけなら食べられた」という体験が自信につながることもあります。
次の章では、冬の高齢者向けおやつ作りで押さえておきたいポイントを、食感・温度・栄養の観点から整理します。
このあと紹介する10レシピが、より選びやすくなります。
第2章|冬の高齢者さん向けおやつ作りで大切なポイント
冬のおやつ作りでは、「甘い」「おいしい」だけでなく、その日その人が無理なく食べられるかを大切にしたいところです。
高齢者さんには体調や飲み込みやすさに日ごとの違いがあり、昨日は大丈夫だったものが、今日は少し負担になることもあります。
だからこそ、冬のおやつ作りでは「完璧を目指す」よりも「やさしく調整できる」ことが大切です。
まず意識したい5つの基本ポイント
| ポイント | 理由 | 具体的な工夫 |
|---|---|---|
| 温かさ | 胃腸への負担が少なく、体がほっとする | 蒸す・煮る・電子レンジで人肌程度に |
| やわらかさ | 噛む力に個人差がある | 水分を足す・つぶす・裏ごしする |
| 飲み込みやすさ | むせや誤嚥を防ぐため | とろみをつける・口の中でまとまる食感 |
| 甘さ控えめ | 血糖値や食後のだるさを防ぐ | 砂糖を減らし、素材の甘みを活かす |
| 香り | 食欲を自然に引き出す | りんご・かぼちゃ・きなこ・牛乳など |
これらはすべて、「必ず守らなければいけないルール」ではありません。
あくまで、高齢者さんが安心して楽しむための目安として考えてみてください。
・今日は少し喉が乾きやすそう
・今日は食欲があまりなさそう
・今日はよく笑って元気そうそんな小さな変化を見ながら、
「とろみを強めにしよう」
「量を少なめにしよう」
と調整できるのが、手作りおやつのいちばんの良さです。
また、冬はどうしても冷たいおやつより、温かいもの・しっとりしたもののほうが食べやすくなります。
焼き菓子のようにパサつきやすいものでも、
・牛乳をかける
・蒸してやわらかくする
・とろみソースを添える
といった工夫を加えるだけで、負担を減らすことができます。
無理をしないことも大切なポイント
毎日きちんと作らなければ、と気負う必要はありません。
「今日は市販のもの」「今日はお休み」でも大丈夫です。
手作りおやつは、余裕がある日に、できる範囲で取り入れるくらいがちょうどいいのです。
次の章では、冬におすすめの手作りおやつレシピ10品を順番にご紹介していきます。
第3章|高齢者さん向け冬の手作りおやつレシピ10選
ここからは、冬におすすめの高齢者さん向け手作りおやつレシピを、ひとつずつご紹介します。
今回のレシピはすべて、やわらかく飲み込みやすいことを基本に、体が冷えにくく、ほっとできる温かさを意識しています。
それぞれのレシピについて、「説明 → 材料 → 作り方 → 栄養 → ポイント」の順でまとめていますので、その日の体調や好みに合わせて選びやすくなっています。
量や甘さ、やわらかさは、無理のない範囲で調整しながら取り入れてみてください。
すべて特別な調理器具は使わず、家庭で作りやすいものを選んでいます。
「今日は少し簡単に」「今日はしっかり作りたい」といった日にも対応できる内容です。
① かぼちゃのやわらか蒸しプリン

説明
かぼちゃの自然な甘みを活かした、冬にぴったりのやさしい蒸しプリンです。
しっとりとなめらかな食感で、噛む力が弱くなってきた高齢者さんにも向いています。
冷たいデザートがつらく感じやすい冬でも、温かいまま楽しめるため、体への負担が少ないのが特徴です。
食欲があまりない日や、「少しだけ甘いものを食べたい」という午後のおやつ時間にも取り入れやすく、無理なく楽しめます。
材料(2〜3人分)
・かぼちゃ(皮と種を除いたもの)…150g
・卵 …1個
・牛乳(または豆乳)…150ml
・砂糖 …大さじ1〜2(甘さは控えめで調整可)
作り方
1. かぼちゃはやわらかくなるまで蒸すか、電子レンジで加熱します。
2. 熱いうちにフォークやマッシャーでなめらかにつぶします。
3. ボウルに卵を溶きほぐし、牛乳と砂糖を加えて混ぜます。
4. ③にかぼちゃを加え、泡立てないよう静かに混ぜ合わせます。
5. 耐熱容器に流し入れ、蒸し器またはフライパン蒸しで弱めの火で15〜20分蒸します。
6. 中心に竹串を刺して液が出てこなければ完成です。
※火を強くしすぎると表面が固くなりやすいため、弱めの火でゆっくり火を通すのがポイントです。
栄養
かぼちゃにはβカロテンやビタミンEが多く含まれており、冬の冷えや体調管理を意識したい時期に向いています。
エネルギー源になりやすいため、食事量が少なかった日の補助的なおやつとしても活用できます。
牛乳や豆乳を使うことで、たんぱく質やカルシウムも補えるため、栄養バランスをやさしく整えたいときにもおすすめです。
ポイント
・なめらかさが足りない場合は、少量の牛乳を足して調整してください。
・飲み込みが気になる高齢者さんには、裏ごしするとさらに安心です。
・熱すぎる状態はやけどの心配があるため、人肌程度に冷ましてから出すようにしましょう。
量は無理に食べきらず、「今日はこれくらい」で十分です。
② りんごのとろとろ煮

説明
りんごをやわらかく煮て、とろとろの食感に仕上げた、冬に食べやすい定番おやつです。
加熱することで酸味がやわらぎ、自然な甘さが引き立つため、甘いものが得意でない高齢者さんにも取り入れやすくなります。
噛む力や飲み込む力に不安がある場合でも、状態に合わせてやわらかさを調整しやすいのが特徴です。
温かいままでも、少し冷ましてからでも食べられるため、その日の体調に合わせて出しやすい一品です。
材料(2〜3人分)
・りんご …1個
・砂糖 …大さじ1〜2(りんごの甘さに合わせて調整)
・水 …100ml
作り方
1. りんごは皮をむき、芯を取り除いて小さめの一口大に切ります。
2. 鍋にりんご、水、砂糖を入れて中火にかけます。
3. 煮立ったら弱めの火にし、ふたをして10〜15分ほど煮ます。
4. りんごが透き通り、スプーンで簡単につぶせるくらいになったら火を止めます。
やわらかさが足りない場合は、少量の水を足してさらに数分煮て調整してください。
栄養
りんごには食物繊維のペクチンが含まれており、腸内環境を整える働きが期待できます。
加熱することで消化しやすくなり、食欲が落ちやすい冬でも取り入れやすいのが特徴です。
水分も一緒に摂れるため、乾燥しやすい季節のおやつとしても向いています。
ポイント
・飲み込みが気になる高齢者さんには、仕上げに軽くつぶしてペースト状にすると安心です。
・甘さは控えめにし、りんご本来の味を活かすと食べやすくなります。
・熱すぎる場合は、少し冷ましてから出すようにしましょう。
その日の様子を見ながら、量は無理のない範囲で調整してください。
③ さつまいものやわらか茶巾

説明
さつまいもをやわらかく蒸して、口当たりよくまとめた、冬にうれしい定番のおやつです。
自然な甘みがあり、砂糖を控えめにしても満足感が出やすいため、甘いものを食べ過ぎたくない高齢者さんにも向いています。
しっとりした食感で、噛む力に不安がある場合でも食べやすく、少量でも「食べた感」が得られるのが特徴です。
温かいままでも食べやすく、寒い日の午後のおやつ時間に取り入れやすい一品です。
材料(2〜3人分)
・さつまいも …200g
・砂糖 …大さじ1〜2(さつまいもの甘さに合わせて調整)
・水 …大さじ2〜3
作り方
1. さつまいもは皮をむき、輪切りにして水にさらします。
2. 蒸し器、または電子レンジで、箸がすっと通るまで加熱します。
3. 熱いうちにボウルに移し、フォークやマッシャーでなめらかにつぶします。
4. 砂糖と水を加え、全体がしっとりまとまるまで混ぜます。
5. 粗熱が取れたら、ラップで包んで軽く形を整えます。
水分が足りない場合は、水を少しずつ足して、やわらかさを調整してください。
栄養
さつまいもには食物繊維が多く含まれており、冬に起こりやすい便秘対策にも役立ちます。
エネルギー源になりやすいため、食事量が少なめの日のおやつとしても取り入れやすい食材です。
加熱してつぶすことで消化しやすくなり、高齢者さんの体にも負担がかかりにくくなります。
ポイント
・飲み込みが気になる高齢者さんには、さらに水分を足してペースト状にすると安心です。
・甘さは控えめにし、素材の味を活かすと食べやすくなります。
・一口量を小さめにすると、無理なく楽しめます。
その日の体調に合わせて、形や量は柔軟に調整してください。
④ バナナのやさしいミルク煮

説明
バナナを牛乳でやさしく煮た、なめらかで口当たりのよい冬向けおやつです。
加熱することでバナナの甘みがより引き立ち、砂糖をほとんど使わなくても満足感が出やすいのが特徴です。
とろっとした食感で、噛む力や飲み込む力に不安がある高齢者さんにも取り入れやすく、体が冷えやすい季節にほっとできる一品です。
食欲があまりない日や、軽めのおやつにしたいときにも向いています。
材料(2人分)
・バナナ …1本
・牛乳(または豆乳)…200ml
作り方
1. バナナは皮をむき、1cm幅ほどの輪切りにします。
2. 小鍋に牛乳とバナナを入れ、中火にかけます。
3. 沸騰直前で弱火にし、焦がさないよう混ぜながら5〜7分ほど温めます。
4. バナナがやわらかくなり、全体がとろっとしてきたら火を止めます。
加熱しすぎると牛乳が分離しやすいため、沸騰させないよう注意してください。
栄養
バナナにはエネルギーになりやすい糖質やカリウムが含まれており、体力が落ちやすい冬にも取り入れやすい果物です。
牛乳や豆乳を使うことで、たんぱく質やカルシウムも一緒に補えます。
加熱することで消化しやすくなり、高齢者さんの体にも負担がかかりにくくなります。
ポイント
・飲み込みが気になる高齢者さんには、仕上げに軽くつぶしてなめらかにすると安心です。
・甘みが足りない場合は、無理に砂糖を足さず、バナナの熟し具合で調整してください。
・熱すぎる状態は避け、人肌程度に冷ましてから出すと安全です。
少量でも満足しやすいため、量は様子を見ながら調整しましょう。
⑤ 豆乳のやわらかくずもち(温)

説明
豆乳とくず粉で作る、やわらかくとろりとした食感の温かいおやつです。
口の中でまとまりやすく、噛む力や飲み込む力に不安がある高齢者さんにも向いています。
冷たい和菓子が食べにくい冬でも、温かいまま楽しめるため、体を冷やしにくいのが特徴です。
甘さを控えめに調整しやすく、食後のおやつや軽めの間食としても取り入れやすい一品です。
材料(2人分)
・豆乳(無調整)…300ml
・くず粉 …30g
・砂糖 …大さじ1〜2(控えめで調整可)
作り方
1. 鍋に豆乳と砂糖を入れ、くず粉を少量ずつ加えながらよく溶かします。
2. ダマがなくなるまで混ぜたら、中火にかけます。
3. 木べらで混ぜ続けながら温め、透明感が出て全体がもったりしてきたら弱火にします。
4. さらに1〜2分練るように混ぜ、なめらかな状態になったら火を止めます。
焦げつきやすいため、鍋底をこまめに混ぜるのがポイントです。
栄養
豆乳には植物性たんぱく質が含まれており、体力が落ちやすい冬でも取り入れやすい食材です。
温かい状態で食べることで胃腸への刺激が少なくなり、消化もしやすくなります。
くず粉は口当たりがよく、飲み込みやすさをサポートしてくれます。
ポイント
・飲み込みが気になる高齢者さんには、少し柔らかめに仕上げると安心です。
・甘さは最小限にし、素材のやさしい味を活かすと食べやすくなります。
・熱すぎる場合は、少し冷ましてから出すようにしましょう。
体調に合わせて、量ややわらかさを調整してください。
⑥ 白玉風やわらかミルクだんご(温)

説明
白玉粉を牛乳で練り、やわらかく仕上げた、温かく食べやすいおだんごです。
もちもちしすぎないよう水分量を多めにすることで、噛む力や飲み込む力に不安がある高齢者さんにも配慮しています。
冷たい甘味が負担になりやすい冬でも、温かい状態で出せるため、体を冷やしにくく、ほっとしやすい一品です。
少量でも満足感があり、おやつの時間に無理なく取り入れやすいのが特徴です。
材料(2人分)
・白玉粉 …50g
・牛乳(または豆乳)…60〜80ml
作り方
1. ボウルに白玉粉を入れ、牛乳を少しずつ加えながら練ります。
2. 耳たぶよりやややわらかい状態になるまで、水分量を調整します。
3. 小さめに丸め、沸騰した湯に入れます。
4. 浮き上がってからさらに1〜2分ゆで、火を通します。
5. 取り出してすぐに器に盛り、温かいうちに食べます。
硬さが気になる場合は、ゆで時間を少し長めにするとやわらかく仕上がります。
栄養
白玉粉は消化しやすく、エネルギー補給に向いている食材です。
牛乳や豆乳を使うことで、たんぱく質やカルシウムも一緒に補えます。
温かい状態で食べることで、胃腸への刺激が少なく、高齢者さんにも取り入れやすくなります。
ポイント
・飲み込みが気になる高齢者さんには、だんごを小さめにすると安心です。
・もちもち感が強いと感じる場合は、牛乳を少し多めにして調整してください。
・熱すぎないよう、人肌程度に冷ましてから出すと安全です。
その日の体調に合わせて、量や大きさを無理なく調整しましょう。
⑦ 卵と牛乳のやさしいカスタード

説明
卵と牛乳で作る、なめらかで口当たりのよい温かいカスタードです。
とろりとした食感で口の中でまとまりやすく、噛む力や飲み込む力に不安がある高齢者さんにも取り入れやすい一品です。
温かい状態で食べることで体を冷やしにくく、寒い季節のおやつとしても向いています。
パンやクラッカーを添えなくても、そのままで食べやすく、少量でも満足感が得られます。
材料(2人分)
・卵 …1個
・牛乳(または豆乳)…200ml
・砂糖 …大さじ1〜2(控えめで調整可)
作り方
1. ボウルに卵を割り入れ、砂糖を加えてよく混ぜます。
2. 牛乳を少しずつ加えながら、泡立てないように混ぜます。
3. 鍋に移し、弱めの中火にかけます。
4. 木べらで鍋底をこすりながら混ぜ続け、とろみがついてきたら火を止めます。
火を強くすると卵が固まりやすいため、必ず弱めの火でゆっくり加熱してください。
栄養
卵には良質なたんぱく質が含まれており、体力が落ちやすい冬にも取り入れやすい食材です。
牛乳や豆乳と合わせることで、カルシウムやエネルギーも一緒に補えます。
なめらかな状態に仕上げることで消化もしやすく、高齢者さんの体への負担を抑えられます。
ポイント
・飲み込みが気になる高齢者さんには、少し柔らかめに仕上げると安心です。
・ダマができた場合は、火を止めてから軽く混ぜ直すと整いやすくなります。
・熱すぎる状態は避け、人肌程度に冷ましてから出しましょう。
その日の体調に合わせて、量は無理なく調整してください。
⑧ 甘酒のやわらか温ゼリー

説明
甘酒をやさしく固めて、とろりとした食感に仕上げた、冬にうれしい温かいゼリーです。
口の中でまとまりやすく、噛む力や飲み込む力に不安がある高齢者さんにも取り入れやすい一品です。
冷たいデザートが負担になりやすい時期でも、温かいまま楽しめるため、体を冷やしにくいのが特徴です。
やさしい甘さで、食欲があまりない日のおやつや、食後の軽いデザートにも向いています。
材料(2人分)
・甘酒(米麹タイプ・砂糖不使用)…300ml
・粉ゼラチン …5g
・水 …大さじ2(ゼラチン用)
作り方
1. 粉ゼラチンは水にふり入れ、ふやかしておきます。
2. 鍋に甘酒を入れ、弱めの中火で温めます。
3. 沸騰させないよう注意しながら、温まったところで火を止めます。
4. ふやかしたゼラチンを加え、溶け残りがないようよく混ぜます。
5. 器に注ぎ、少しとろみが出るまで置いてから、温かいうちにいただきます。
固まりすぎる場合は、甘酒を少し足してやわらかさを調整してください。
栄養
甘酒にはブドウ糖やビタミンB群が含まれており、エネルギー補給に向いています。
米麹由来のやさしい甘さで、砂糖を使わずに満足感を得やすいのも特徴です。
温かい状態で食べることで、胃腸への刺激が少なく、高齢者さんにも取り入れやすくなります。
ポイント
・飲み込みが気になる高齢者さんには、ゼリーを柔らかめに仕上げると安心です。
・必ず砂糖不使用の米麹甘酒を使い、甘さは控えめにしましょう。
・熱すぎる状態は避け、人肌程度に冷ましてから出すと安全です。
体調に合わせて、量やとろみ具合を無理なく調整してください。
⑨ お麩のやわらかミルク煮

説明
乾燥したお麩を牛乳でやさしく煮て、とろりとした食感に仕上げた、冬向けの温かいおやつです。
口の中でほどけるようにやわらかくなり、噛む力や飲み込む力に不安がある高齢者さんにも取り入れやすいのが特徴です。
材料がシンプルで味もやさしく、甘いものが重く感じる日でも無理なく楽しめます。
体が冷えやすい季節に、少量でもほっとできる一品です。
材料(2人分)
・焼き麩(乾燥)…10g
・牛乳(または豆乳)…200ml
・砂糖 …大さじ1(控えめで調整可)
作り方
1. 焼き麩は軽く水にくぐらせ、水気をやさしく絞ります。
2. 小鍋に牛乳と砂糖を入れ、弱めの中火にかけます。
3. 温まってきたら焼き麩を加え、弱火で5〜7分ほど煮ます。
4. 麩が十分にやわらかくなり、全体にとろみが出たら火を止めます。
牛乳は沸騰させないよう注意し、焦がさないよう時々混ぜてください。
栄養
お麩は消化しやすく、胃腸への負担が少ない食材です。
牛乳や豆乳を使うことで、たんぱく質やカルシウムも補えます。
温かい状態で食べることで体を冷やしにくく、冬のおやつとして取り入れやすくなります。
ポイント
・飲み込みが気になる高齢者さんには、麩をさらに小さくちぎると安心です。
・甘さは控えめにし、牛乳のやさしい味を活かしましょう。
・熱すぎる場合は、人肌程度に冷ましてから出すと安全です。
その日の体調に合わせて、量は無理のない範囲で調整してください。
⑩ やわらか白いおしるこ

説明
白あんを牛乳でのばして作る、やさしい甘さの温かいおしるこです。
さらりとしすぎず、少しとろみのある仕上がりにすることで、噛む力や飲み込む力に不安がある高齢者さんにも取り入れやすくなります。
一般的なおしるこよりも口当たりが軽く、甘さも控えめに調整しやすいため、甘いものが重く感じやすい方にも向いています。
寒い日の午後に、少量でもほっとできる、締めのおやつとしてもおすすめの一品です。
材料(2人分)
・白あん …100g
・牛乳(または豆乳)…200ml
・水 …50ml
作り方
1. 鍋に白あんと水を入れ、弱めの中火にかけて混ぜながら温めます。
2. 白あんがなめらかになったら、牛乳を少しずつ加えます。
3. 沸騰させないよう注意しながら、全体が温まるまで弱火で加熱します。
4. とろみが足りない場合は、少し煮詰めて調整し、火を止めます。
焦げつきやすいため、鍋底をこまめに混ぜながら加熱してください。
栄養
白あんはエネルギーになりやすく、体力が落ちやすい冬にも取り入れやすい食材です。
牛乳や豆乳を使うことで、たんぱく質やカルシウムも一緒に補えます。
温かい状態で食べることで、胃腸への刺激が少なく、高齢者さんにもやさしいおやつになります。
ポイント
・飲み込みが気になる高齢者さんには、水分をやや多めにしてさらっと仕上げると安心です。
・甘さは白あんの量で調整し、砂糖は加えなくても十分な場合があります。
・熱すぎる状態は避け、人肌程度に冷ましてから出しましょう。
無理に食べきらず、その日の体調に合わせて量を調整してください。
第4章|温かい手作りおやつが高齢者さんの心に与える影響
温かいおやつの良さは、栄養や食べやすさだけではありません。
湯気が立つ器を前にしたときの安心感や、口に入れた瞬間の「ほっとする感じ」は、気持ちの面にもやさしく働きかけてくれます。
特に冬は、寒さや日照時間の短さから、気分が沈みやすくなる季節です。
そんな時期だからこそ、温かい手作りおやつが持つ力は、思っている以上に大きいものがあります。
「作ってもらった」という気持ちが安心感につながる
手作りのおやつには、「誰かが自分のために用意してくれた」という気持ちが自然と伝わります。
それは言葉にしなくても、高齢者さんの心に安心感として届くことがあります。
特別な材料や手の込んだ工程でなくても、「温かい」「食べやすい」と感じられるだけで、気持ちが和らぐことは少なくありません。
また、温かいおやつを囲む時間は、自然と会話が生まれやすくなります。
「今日は甘さどうかな」「少し熱いかな」といったやり取りそのものが、気分転換や刺激につながることもあります。
食べる量が少なくても、「一緒に過ごす時間」があることが大切なのです。
食べられたという体験が自信につながる
年齢を重ねると、「前より食べられなくなった」と感じる場面が増えがちです。
そんな中で、「今日はこれなら食べられた」「少しだけでも口にできた」という体験は、小さな自信につながります。
温かくてやわらかいおやつは、そのきっかけを作りやすい存在です。
もちろん、毎日きちんと作る必要はありません。
作れない日があっても問題ありませんし、無理をする必要もありません。
大切なのは、「できるときに、できる形で」取り入れることです。
完璧を目指さなくて大丈夫
温かいおやつは、栄養管理のためだけのものではありません。
気持ちが少し和らぐこと、安心できる時間が生まれること、そのどちらも大切な役割です。
量が少なくても、見た目が簡単でも、それで十分です。
今回ご紹介した10品のレシピは、すべて「やさしさ」を大切にしたものばかりです。
その日の体調や気分に合わせて、無理のない形で選んでみてください。
温かいおやつの時間が、高齢者さんにとって穏やかなひとときになりますように。
第5章|よくある質問(FAQ)
高齢者さん向けのおやつ作りについて、よく聞かれる疑問をまとめました。
「これで合っているのかな」と迷ったときの、ひとつの目安として参考にしてください。
Q. 毎日おやつを食べても大丈夫ですか?
毎日必ず食べなければいけない、というものではありません。
高齢者さんの場合、その日の体調や食事量によって、甘いものが負担になる日もあります。
おやつは「楽しみ」や「気分転換」として、無理のない頻度で取り入れるのがおすすめです。
量も少なめで十分ですし、食べられない日があっても心配はいりません。
Q. 甘いものは控えたほうがいいでしょうか?
甘いものは完全に避ける必要はありませんが、甘さは控えめに調整するのが安心です。
今回紹介したレシピは、砂糖を少なめにしたり、素材の自然な甘みを活かしたりと、やさしい味付けを意識しています。
「甘すぎない」「少しで満足できる」ことを目安にすると、取り入れやすくなります。
Q. 飲み込みが心配な場合は、どう工夫すればいいですか?
飲み込みが気になる高齢者さんには、やわらかさやとろみを強めに調整するのがおすすめです。
水分を少し足したり、つぶしたり、裏ごししたりするだけでも、食べやすさは大きく変わります。
一口量を小さくすることや、温度を人肌程度にすることも大切なポイントです。
無理をせず、その日の様子を見ながら調整してください。
Q. 市販のおやつではだめなのでしょうか?
市販のおやつがだめ、ということはありません。
ただ、硬さや甘さが固定されているものが多いため、高齢者さんには負担になることもあります。
手作りは調整しやすいというメリットがありますが、作れない日や余裕がない日は、市販のものを上手に取り入れても大丈夫です。
大切なのは、「無理をしないこと」です。
Q. 冬でも冷たいおやつを食べていいですか?
冷たいおやつが絶対にだめ、というわけではありません。
ただし、冬は体が冷えやすく、胃腸に負担がかかりやすいため、温かいものや常温に近いもののほうが安心な場合が多いです。
冷たいものを食べる場合は、量を少なめにするなど、様子を見ながら調整するとよいでしょう。
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「作れない日」や「もしもの時」に備えておきたい、やさしい選択肢
毎日きちんと手作りできなくても、大丈夫です。
体調がすぐれない日や、急に時間が取れない日、そして万が一の災害時など、「温かくて食べやすいものがすぐ用意できる」安心感があるだけで、気持ちが少し楽になります。
尾西食品は、食物アレルギー対応商品やハラール認証商品の開発にも取り組み、誰もが安心して食べられる非常食を追求しているメーカーです。
お湯を注ぐだけで作れるごはんや雑炊など、やわらかく仕上がる商品も多く、高齢者さんにも配慮しやすい内容がそろっています。
普段は使わなくても、「いざという時のため」に少しだけ備えておく。
それも、無理をしないやさしい工夫のひとつです。
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まとめ|温かいおやつは、やさしい時間をつくるもの
高齢者さん向けの冬のおやつは、栄養を補うためだけのものではありません。
温かさややわらかさ、やさしい甘さは、体だけでなく心にもそっと寄り添ってくれます。
毎日きちんと作らなくても大丈夫ですし、すべて完璧にしなくても問題ありません。
「今日はこれなら食べられそう」「少しだけなら楽しめそう」そんな気持ちを大切にしてください。
今回ご紹介した10品のレシピは、どれも無理なく調整しやすいものばかりです。
その日の体調や気分に合わせて、できる形で取り入れてみてください。
温かいおやつの時間が、高齢者さんにとって安心できるひとときになりますように。
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