「最近、食が細くなってきたみたい…」
「噛みにくい・飲み込みにくいって言ってたな」
そんな大切な高齢のご家族に、やさしく寄り添えるのが“手作りのおやつ”です。
市販のおやつは手軽ですが、添加物や食感のかたさが気になることも。
そこで今回は、
「やわらかくて飲み込みやすい」
「素材の味を活かした」
「作るのも簡単」
な高齢者向けおやつを10品、厳選しました!
介護食や嚥下食ほど気を張らずに、ちょっとしたおやつタイムにぴったりなやさしいレシピばかりです。
「食べる楽しみ」をいつまでも続けてもらうために、あなたの手で作ってみませんか?
この記事の目次です
- 1 高齢者に向いているおやつの条件とは?
- 2 “飲み込みやすさ”を高める工夫と注意点
- 3 市販で買えるやわらかおやつも紹介
- 4 【第5章】SNSでも話題!手作り高齢者向けおやつの投稿まとめ
- 5 まとめ|高齢者の“楽しみ”を支えるやさしいおやつ時間
- 6 関連リンク
高齢者に向いているおやつの条件とは?
高齢者のおやつを選ぶときに大切なのは、「食べやすさ」と「やさしさ」。
咀嚼力や嚥下力が衰えてきた方でも、安心して楽しめる工夫が必要です。
- やわらかさ・なめらかさ: 歯ぐきや舌でつぶせるくらいが理想。プリンやゼリー、蒸しパンなど。
- 喉につまりにくい: パサつくものより、とろみや水分がある方が飲み込みやすくなります。
- 甘さひかえめ: 高齢者は糖分を控える必要があることも。自然な甘さや少量で満足できるものを。
- 栄養も考慮: たんぱく質や食物繊維、カルシウムなどが摂れるとベター。
- 調理が簡単: ご家族が気軽に作れることも大切。電子レンジや混ぜるだけでOKのレシピがおすすめです。
このあと紹介するレシピは、すべて
「やわらかくて飲み込みやすい」
「身近な材料で作れる」
「おいしくて安心」
なものばかり。
家族と一緒に食べるのも楽しい、そんなおやつ時間を届けてくれるはずです。
① 豆腐白玉の黒蜜きなこがけ
もちもちでやわらかく、高齢者さんにも人気の白玉団子。
豆腐を混ぜることでやさしい食感に仕上がり、タンパク質も摂れる嬉しいレシピです。
材料(2人分)
- 白玉粉 … 50g
- 絹ごし豆腐 … 60g(様子を見ながら調整)
- きなこ … 小さじ2
- 黒蜜(市販) … 適量
作り方
- 白玉粉に豆腐を少しずつ加えてこね、耳たぶくらいのやわらかさになるまで練る。
- 食べやすい大きさに丸めて、沸騰したお湯でゆでる。
- 白玉が浮いてきたらさらに1分ほど加熱し、冷水にとって冷やす。
- 器に盛り、きなこと黒蜜をかければ完成!
ポイント
✔︎ 白玉粉と豆腐だけで生地がまとまり、砂糖不使用でもやさしい甘み。
✔︎ 噛まずに舌でつぶせるやわらかさなので、嚥下が不安な方にもおすすめです。
② りんごのコンポート(電子レンジで簡単)
加熱することでやわらかくなり、自然な甘さが引き立つりんご。
電子レンジで手軽にできて、見た目も上品なおやつです。
材料(2人分)
- りんご … 1個(紅玉やふじなど酸味のある品種がおすすめ)
- 砂糖 … 小さじ2
- レモン汁 … 小さじ1
- 水 … 大さじ2
- あればシナモンパウダー … 少々
作り方
- りんごの皮をむき、薄くスライスまたはいちょう切りにする。
- 耐熱ボウルにりんご・砂糖・レモン汁・水を入れて軽く混ぜる。
- ふんわりとラップをかけ、電子レンジ(600W)で約3分加熱する。
- やわらかくなったら冷まし、お好みでシナモンをふって完成!
ポイント
✔︎ 甘すぎず自然な風味なので、胃腸にもやさしいおやつです。
✔︎ 皮付きのままでも栄養価アップ。食べやすければそのままでもOK。
③ さつまいもとバナナのやわらか茶巾しぼり
甘みのあるさつまいもとバナナを使った、やさしい味わいの一品。
砂糖を使わず、自然の甘さだけで満足感たっぷりのおやつです。
材料(2〜3個分)
- さつまいも … 小1本(約150g)
- バナナ … 1/2本
- 牛乳または豆乳 … 大さじ1〜2(固さを見ながら)
作り方
- さつまいもは皮をむいて輪切りにし、水にさらしてアクを抜く。
- 耐熱容器に入れてラップをかけ、電子レンジ(600W)で約5分加熱する。
- やわらかくなったらフォークなどでつぶし、バナナと牛乳を加えて混ぜる。
- ラップに適量を包み、茶巾状にしぼって形を整える。
ポイント
✔︎ 手でつぶせるやわらかさで、飲み込みやすさも◎。
✔︎ 食物繊維とビタミンが豊富で、お腹にもやさしいヘルシーおやつ。
④ ミルク寒天(やさしい甘さとつるん食感)
牛乳を使った寒天は、つるんとした食感で飲み込みやすく、高齢者さんにも人気。
甘さ控えめで、喉ごしもやさしいおやつです。
材料(2〜3人分)
- 牛乳 … 300ml
- 水 … 100ml
- 粉寒天 … 2g
- 砂糖 … 大さじ2(お好みで加減)
- バニラエッセンス … 少々(あれば)
作り方
- 鍋に水と粉寒天を入れ、中火にかけながらよく混ぜて煮溶かす(約1〜2分)。
- 砂糖を加えてさらに混ぜ、溶けたら火を止める。
- 少し冷ましてから牛乳を加え、混ぜ合わせる。
- バニラエッセンスを加えて型に流し入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
ポイント
✔︎ 寒天はゼラチンよりもかための仕上がりですが、牛乳と合わせることでまろやかになります。
✔︎ 季節のフルーツを添えても彩りがよく、ビタミン補給にも。
⑤ やわらか豆乳プリン(卵なし)
卵を使わず、豆乳とゼラチンで作るヘルシーなプリン。
とろっとやわらかく、舌触りもなめらかで高齢者さんにもぴったりです。
材料(2個分)
- 無調整豆乳 … 200ml
- 砂糖 … 大さじ1〜2(好みで調整)
- 粉ゼラチン … 3g
- 水(ゼラチンふやかし用) … 大さじ2
- バニラエッセンス … 少々(あれば)
作り方
- 粉ゼラチンは水にふやかしておく。
- 鍋に豆乳と砂糖を入れて中火で加熱し、砂糖が溶けたら火を止める(沸騰させない)。
- ふやかしたゼラチンを加えてよく混ぜて溶かす。
- バニラエッセンスを加え、器に流し入れて冷蔵庫で冷やし固める。
ポイント
✔︎ 牛乳が苦手な方にもやさしい豆乳ベース。
✔︎ やわらかめに固めることで、飲み込みが不安な方にも安心。
⑥ かぼちゃのやわらか蒸しケーキ(レンジでOK)
ほくほくのかぼちゃを使った、やさしい甘さの蒸しケーキ。
電子レンジで簡単に作れて、ふわふわの食感が魅力です。
材料(マフィン型2個分)
- かぼちゃ(皮と種を除いた正味) … 約100g
- 砂糖 … 大さじ1
- 卵 … 1個
- 牛乳 … 大さじ2
- ホットケーキミックス … 50g
作り方
- かぼちゃを一口大に切って耐熱容器に入れ、ラップをして電子レンジ(600W)で約3分加熱する。
- やわらかくなったらフォークでつぶし、砂糖・卵・牛乳を加えてよく混ぜる。
- ホットケーキミックスを加えてさっくり混ぜ、マフィンカップやシリコン型に流し入れる。
- ラップをして電子レンジ(600W)で約2分半〜3分加熱して完成。
ポイント
✔︎ 水分を多めにするとふんわり仕上がります。
✔︎ 甘さを控えめにすると、朝食や間食にも◎。
⑦ バナナヨーグルトムース(ゼラチンでふるふる食感)
完熟バナナの自然な甘みと、ヨーグルトの酸味が絶妙なふるふるムース。
高齢者さんでもスプーンで食べやすく、栄養価も高い一品です。
材料(2〜3個分)
- バナナ … 1本
- プレーンヨーグルト(無糖) … 100g
- 牛乳 … 50ml
- 砂糖 … 大さじ1(お好みで調整)
- 粉ゼラチン … 3g
- 水(ゼラチンふやかし用) … 大さじ2
作り方
- ゼラチンを水にふやかしておく。
- バナナはフォークでよくつぶし、ヨーグルト・牛乳・砂糖を加えて混ぜる。
- ふやかしたゼラチンを電子レンジ(500W)で20〜30秒ほど加熱して溶かす。
- ゼラチン液を加えてよく混ぜ、器に流し入れて冷蔵庫で2時間以上冷やす。
ポイント
✔︎ 食後やおやつタイムにぴったりな、さっぱりした味わい。
✔︎ バナナは完熟を使うと砂糖が少なくても美味しくなります。
⑧ にんじんとリンゴのすりおろしゼリー
すりおろしたにんじんとりんごを使った、ビタミンたっぷりのゼリー。
自然な甘みとやさしい口当たりで、高齢者さんの栄養補給にもいいですよ
材料(2人分)
- にんじん(すりおろし) … 1/3本(約40g)
- りんご(すりおろし) … 1/2個
- 水 … 100ml
- レモン汁 … 小さじ1(風味付け・お好みで)
- 砂糖 … 大さじ1(お好みで加減)
- 粉ゼラチン … 3g
- 水(ゼラチンふやかし用) … 大さじ2
作り方
- ゼラチンを水にふやかしておく。
- 鍋に水・砂糖・ふやかしたゼラチンを入れて中火で加熱し、ゼラチンが溶けたら火を止める。
- すりおろしたにんじん・りんご・レモン汁を加えて混ぜる。
- 器に流し入れて冷蔵庫で冷やし固める。
ポイント
✔︎ にんじんのクセはリンゴがまろやかにしてくれます。
✔︎ すりおろし食感を残すと、噛まなくても満足感が出ます。
⑨ さつまいものレモン煮(ほっくり甘酸っぱいおやつ)
やわらかく煮たさつまいもに、レモンの酸味を加えた爽やかなおやつ。
冷やしても美味しく、食欲のない日にもぴったりです。
材料(2〜3人分)
- さつまいも … 中1本(約200g)
- 砂糖 … 大さじ2
- レモン汁 … 大さじ1
- 水 … 200ml
- レモンの輪切り(あれば) … 数枚
作り方
- さつまいもは皮をむき、1cm厚の輪切りまたは半月切りにする。
- 水に5分ほどさらしてアクを抜く。
- 鍋にさつまいも・水・砂糖・レモン汁・レモン輪切りを入れて火にかける。
- 沸騰したら弱火にし、落とし蓋をして15分ほどやわらかくなるまで煮る。
- そのまま冷まし、味をしみ込ませる。
ポイント
✔︎ さつまいもは煮崩れしにくく、栄養も豊富で腹持ち◎。
✔︎ やわらかく仕上げて、冷やしても美味しい一品に。
⑩ はちみつ寒天とフルーツのやわらかデザート
寒天をやわらかめに作って、やさしい甘さのはちみつ風味に。
お好みのフルーツを添えれば、見た目も華やかなおやつになります。
材料(2〜3人分)
- 水 … 250ml
- 粉寒天 … 1g(やわらかめに仕上げる分量)
- はちみつ … 大さじ1〜1.5
- フルーツ(缶詰やバナナ・キウイなど) … 適量
作り方
- 鍋に水と粉寒天を入れて火にかけ、沸騰後1〜2分しっかり煮溶かす。
- 火を止めてからはちみつを加えてよく混ぜる。
- 器に流し入れて粗熱が取れたら冷蔵庫で1時間以上冷やす。
- 食べる直前にカットしたフルーツを添える。
ポイント
✔︎ 粉寒天は分量を控えめにして、やわらかく作るのがコツ。
✔︎ フルーツは噛まずに食べられるものを選んで、季節感も楽しめます。
“飲み込みやすさ”を高める工夫と注意点
水分を加える・とろみをつける
高齢になると、唾液の分泌が減ったり、嚥下機能が弱くなったりすることで「飲み込みにくさ」を感じやすくなります。
おやつ作りでも、水分を加えたり、とろみをつけたりする工夫がとても大切です。
たとえばゼリーやプリンのような水分の多い食品、片栗粉やとろみ剤でとろみをつけたスープ風デザートなどは、のどごしが良く、誤嚥のリスクも減らせます。
食べる時間帯や体調の観察も大切
おやつの時間は「午後3時頃」が理想的。
この時間は体温が高く、消化機能も活発なため、負担が少なく食べやすいとされています。
また、日によって体調や気分に波があることも。
食べる様子や反応をよく観察しながら、
「今日はやわらかめにしよう」
「甘さを控えめにしてみよう」
といった柔軟な対応も重要です。
誤嚥(ごえん)の危険性と対策
誤嚥とは、食べ物や飲み物が誤って気道に入ってしまうこと。
高齢者の場合、気づかないうちに「誤嚥性肺炎」などを引き起こすことがあり、注意が必要です。
おやつ作りでは以下のような点に気をつけましょう。
- 飲み込みやすい形状・やわらかさにする
- 水分を加えてパサつきを避ける
- 一口量を少なめにする
- 食べる姿勢を整える(背筋を伸ばす・あごを引くなど)
特に咳き込む様子がある場合や、口の中に食べ物が残るような様子が見られた場合は、無理をせず医師や専門家に相談しましょう。
市販で買えるやわらかおやつも紹介
最近では、手軽に栄養を補える“高齢者向けゼリー”も充実しています。
やわらかくて飲み込みやすく、食欲がないときや忙しい時の補助としても重宝します。
手作りおやつとの併用に便利な、市販のやわらかおやつをご紹介します。
高齢者の栄養補助や気分転換にもぴったりですよ。
① 栄養ゼリー(バランス パワミナ200 ゼリー)
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- 水分・エネルギーが手軽に補給できるライトタイプ
- サイダー風味で飲みやすく、食欲がないときにもおすすめ
ポイント
1袋120gで200kcal&たんぱく質6g。なめらかなゼリー食感で片手でも飲みやすく、栄養補給に最適です
② たんぱく質補給ゼリー(たんぱくゼリー・セブン 70g)
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- 70gでたんぱく質+食物繊維入り
- コンパクトな容器で片手でも食べやすい
ポイント
1カップ150kcal、たんぱく質3g。えん下困難者向け物性で、飲み込みやすく高齢者向けに設計 。
③ 高カロリーバラエティゼリー(アイソカル ゼリーハイカロリー)
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- 8種類の味が楽しめ、毎日飽きずに食べられるセット
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70gでたんぱく質7.5g、カルシウム・鉄など11種類のビタミン配合。片手でも食べられるゼリーで、介護現場でも人気です。
【第5章】SNSでも話題!手作り高齢者向けおやつの投稿まとめ
家族や施設でのおやつ作りは、SNSでも注目を集めています。
特に「#高齢者おやつ」「手作りおやつ」といったタグでは、手軽に作れるレシピやみんなで楽しむ様子がたびたびシェアされています。
☀️きょうの おやつは「レモンタルト」🍋
ふわふわムースとサクサクのタルトに「もう少し食べたいな〜」の声も😊
夏空の下、水分補給をお忘れなく💧#前橋市 #デイサービス #レモンタルト #高齢者おやつ #やさしい甘さ pic.twitter.com/cj1dkcXnjZ— 宮城の里デイサービスセンター (@miyaginosato) July 21, 2025
きーちゃんの本日おやつ予定の紅茶寒天冷まし中です☕️#介護 #孫介護 #認知症#高齢者おやつ pic.twitter.com/snHcx3ZHb0
— アサ@祖母介護中の孫 (@Asatoki00) May 30, 2022
高齢者施設の手作りおやつ☺️甘酒入れてみた pic.twitter.com/lRpmGRI6yk
— みつな✩.*˚(なお) (@amgyoani_0224) February 17, 2025
月曜に仕込んであったサブレの端切れとミルクティーのおやつ。今日はチーズと黒胡椒クッキーを仕込んだ。今週末に両親の誕生日、お祝いは手作りしか受け取ってくれない_(┐「ε:)_後期高齢者なんで、あと何回食べてもらえるかのカウントダウン…… pic.twitter.com/38yhlZbHBF
— still_life (@sega_k1) February 19, 2025
こうした投稿から伝わるのは:
- 手作りで「ふわふわ」「やわらか」「見た目もかわいい」おやつが受ける
- 施設や家族の“ほっこりタイム”としての価値も高い
- 水分補給や旬素材のアドバイスなど、気配りのある投稿が共感を呼んでいる
「#高齢者おやつ」「#手作りおやつ」などで探すと、リアルな投稿例が多数ヒットします。
まとめ|高齢者の“楽しみ”を支えるやさしいおやつ時間
歳を重ねても、おやつの時間は心がほっとする大切なひととき。
やわらかくて飲み込みやすい手作りおやつは、高齢者の方にとって「食べる楽しみ」を無理なく味わえる、やさしいサポートになります。
今回ご紹介したレシピは、特別な道具がなくても簡単に作れるものばかり。
さらに、市販のやわらかおやつや栄養補助ゼリーを上手に取り入れれば、負担なく続けられます。
そして何よりも大切なのは、ご家族や介助する方のちょっとした気遣い。
「いつもの白玉にきなこを添える」
「今日は少し冷たいゼリーにしようかな」
そんなささいな一工夫が、毎日を彩る大きな喜びに変わります。
ぜひ、今日からあなたのおやつタイムにも、やさしさをひとさじ添えてみてください。
おやつだけでなく、ごはんも“やさしさ”が大切
ご高齢の方にとって、毎日の食事は体調管理にもつながる大切な時間。
「やわらかくて飲み込みやすい」ごはんを無理なく取り入れるなら、ベネッセの宅配食『おうちごはん』もおすすめです。
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