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ネットワークビジネス(MLM)とは?仕組み・手口・危険性・断り方まで徹底解説|ねずみ講との違いも解説

怪しいビジネスセミナーで勧誘されている参加者たちの背中と講師の様子

X(旧Twitter)などのSNSを見ていると、高級車やブランド品、豪華な食事を背景に

「人生変わりました」

「好きな仲間と自由に働いています」

とアピールする人たちがいます。

そうした投稿の裏側にあるビジネスの1つが、ネットワークビジネス(MLM)です。

 

つい先日、Xのポストがバズりました。

多くの人が共感するのは、この投稿が「昔の話」で終わらず、同じ構造が形を変えて今も存在しているからです。

また、ピーピP(@kimoto_hiroaki)さんは音楽に関わる人へ向けて伝えていますが、内容は多くの業界に当てはまります。

「夢を応援したい」という言葉の裏側で、不安・焦り・希望が利用される構図は今も形を変えて続いているのです。

 

ネットワークビジネス(MLM)は、法律上は「連鎖販売取引」として一定のルールのもとで認められています。

しかし、実際の現場では、違法すれすれの勧誘や、ねずみ講とほとんど変わらない構造、マインドコントロールに近い心理操作が行われていることも少なくありません。

表向きは「合法な副業」「在宅でできるビジネス」として語られますが、その実態を知らないまま関わるのはとても危険です。

 

本記事では、ネットワークビジネス(MLM)の

  • 基本的な仕組み
  • ねずみ講との違い
  • 報酬プランのカラクリ
  • 実際の現場で見てきた事例
  • 過去に問題になった事件
  • 公的機関の情報を踏まえた客観的なデータ

も紹介しながら、「なぜ人は騙されてしまうのか」という心理学的な側面まで丁寧に解説します。

 

あわせて、「やってよかった」「成功者」といったキラキラした情報だけを信じてしまわないための視点や、友人・家族・取引先などからネットワークビジネスに勧誘されたときの断り方の例文、すでに入ってしまった場合の抜け方・相談先もまとめました。

 

少しでも不安を感じている方や、周りに心配な人がいる方は、ぜひ最後まで読んで、身を守るための知識として役立ててください。

ネットワークビジネス(MLM)そのものを一方的に否定することが目的ではありません。
仕組みとリスクを正しく理解したうえで、「参加するかどうか」を自分の意思で冷静に判断できるようになることを目指しています。

この記事の目次です

第1章|ネットワークビジネス(MLM)はなぜ広まるのか

まず押さえておきたいのが、ネットワークビジネスと呼ばれる仕組みは、正式にはMLM(Multi-Level Marketing)といいます。

Multi=複数、Level=階層、Marketing=販売・流通という意味で、直訳すると「階層型販売方式」となります。

 

MLMは商品を販売するだけではなく、「会員を増やすことで報酬が発生する仕組み」である点が最大の特徴です。

この構造が成功すれば高収入につながると言われる一方で、トラブルや相談事例が後を絶たない理由にもなっています。

 

ネットワークビジネスは、一部の人にとっては「自由」「自立」「仲間」「成功」といったポジティブなイメージで語られます。

 

その一方で、消費者センターや弁護士、SNSでは「被害」「人間関係の崩壊」「借金」などの相談が増え続けています。

 

このギャップが生まれる理由は、ネットワークビジネスの仕組みと人の心理に巧みに作用する設計が組み合わさっているためです。

ここでは、まずその構造を冷静に整理します。

MLMの基本構造

① 商品の購入・契約 まずは会員登録や商品購入(初期投資)が必要。
② 販売・勧誘活動 自分が商品を売るか、新規会員を紹介すると報酬が発生。
③ 下の人の売上から報酬が発生 自分が勧誘した人がさらに人を増やすと、その売上の一部が報酬として入る。
④ 組織を広げるほど収入が増える構造 「人が人を連れてくる」ことで収益が上がり続ける設計。

仕組みだけを見ると

「頑張り次第で収入が増える」

「人に喜ばれながら働ける」

と感じる人も少なくありません。

しかし、、、
この構造には、参加すればするほど抜け出しにくくなる心理トリックが組み込まれています。

「MLMが魅力的に見える理由」心理と演出

  • 成功者の派手な暮らし・ブランド品・旅行写真(成功を視覚化)
  • 「普通の人でもできた」という体験談(同調と希望)
  • 仲間・コミュニティ・承認欲求の刺激(孤立させない代わりに抜けづらい)
  • 「やらなかった人が損をする」という煽り(FOMO・機会損失)
  • 「失敗は努力不足」と刷り込む責任転嫁(自己責任化)

人は不安 × 希望 × 承認欲求 × 孤独が刺激されたとき、冷静な判断が難しくなります。

そして、多くの人が「商品を買うため」ではなく、成功体験・環境・承認を求めて入ってしまうのです。

第2章|なぜ人は「マルチ商法(MLM)」に惹かれてしまうのか

ネットワークビジネス(MLM)は、法律上「連鎖販売取引」と呼ばれますが、一般的にはマルチ商法と呼ばれることが多い言葉です。

SNSでは

「マルチ」

「マルチ勧誘」

「怪しい副業」

「選ばれた人だけのビジネス」

と表現されることもあり、形を変えながら広がり続けています。

 

では、なぜ今もなお、こんなにも多くの人が惹きつけられてしまうのか?

そこには計算された心理設計とコミュニティの演出、そして弱っているタイミングを狙う勧誘方法が存在します。

よくある始まり方|「断れない空気」を作る

マルチ商法の勧誘は、ほとんどの場合、次の流れで行われます。

  1. 久しぶりの友達・SNSのDM・コミュニティで声がかかる
  2. 「会いたかった」「近況聞きたい」と距離を縮める
  3. すぐにビジネスの話はせず、承認・共感をひたすら与える
  4. 「実はね…」と成功者の話・夢・不安を刺激する
  5. 最後に高額商品や契約へ誘導

この流れは偶然ではなく、心理学にもとづいたシナリオ設計です。

▼特に狙われやすい人の特徴
・夢や目標がある人(クリエイター、学生、フリーランス)
・将来に不安がある人(就職活動、転職直前、病み上がり)
・孤独、職場ストレス、人間関係の不満がある人
・自己肯定感が低く「認められたい」と感じている人

心理誘導のテクニック|人はこうして判断を失う

① 希少性(限定勧誘) 「選ばれた人しか声をかけてない」「枠はあと2人だけ」
② 社会的証明(成功者演出) 高級車、旅行、ブランド品をSNSで可視化し権威付け
③ コミュニティ依存 仲間・夢・目的を共有し「抜ける=裏切り」と意識させる
④ 罪悪感・心理圧力 「やる気がないなら離れていい」→自己責任化

ここで重要なのは、ハマる人は頭が悪いわけではないということです。

むしろ、努力家・優しい人・夢を持った人・誠実な人ほど狙われやすい傾向があります。

つまり、、、
狙われるのは「弱い人」ではなく、「未来を変えたいと思っている人」なのです。

ここまで見てきたように、勧誘の成功は偶然ではありません。

「人間心理 × SNS演出 × コミュニティ形成」が組み合わさることで、抜けにくい構造が完成します。

第3章|SNSに集まる声から見える「現実」──反響とリプの傾向整理

今回のピーピpさんの投稿(@kimoto_hiroaki)は、大きな反響を呼び、リプライ・引用ポスト・DM相談が急増しています。

特に注目すべきなのは、これは単なる炎上や意見議論ではなく、「似た経験をした人が多数存在する」という事実が可視化された点です。

リプの傾向を整理すると、大きく次の4つに分類できます。

① 共感・体験談の共有

最も多かったのは、「自分も危なかった」「巻き込まれそうになった」という声です。

特に「親しい人から勧誘された」「ローンをすすめられた」というパターンが多数寄せられています。

  • 「親友がアムウェイに連れて行かれた。大量在庫を買わないとステージが上がらないと言われていた」
  • 「『借りてでもやる価値がある』と言われた瞬間に危険だと気づいた」
  • 「自分も昔ギリギリのところで止まった。今思えばゾッとする」

② 勧誘手口の指摘

勧誘者の共通パターンや心理操作について言及するリプも多く見られました。

特に、「成功者のライフスタイルを見せカリスマ性を演出する」点は、多くのユーザーが問題視しています。

  • 「ウマい話は基本存在しない。ローンをすすめる時点で危険」
  • 「成功者を神格化し、逆らいにくい空気を作るのは典型的なMLM構造」
  • 「声優オーディション商法と構造が似ている。AI用データ収集の疑いもある」

③ 逃げ方・対処法の共有

著者の追加ポストをきっかけに、「解約」「クーリングオフ」「支払い停止の抗弁権」など、具体的な防御方法を共有する流れが生まれています。

  • 「『188(消費生活センター)』は本当に助かる。迷ったら即相談」
  • 「サービス未提供なら途中解約可能。泣き寝入りしなくていい」
  • 「勧誘時『選ばれた人だけ』と言われたら即距離を置くべき」

④ 懸念・業界全体への問題提起

一部のユーザーは、小規模な個別案件ではなく、「構造的な問題」「文化的背景」として捉えています。

  • 「クリエイター界隈は夢・承認欲求・仲間意識が利用されやすい」
  • 「芸能・声優・美容・副業など、似た構造が横展開されている」
総括
リプの多くは怒りや批判ではなく、「警告」「共有」「防止」です。
つまりこの問題は、すでに個人の体験ではなく、コミュニティ全体の課題として理解され始めています。

第4章|「これ言われたら危険信号」勧誘でよく使われるフレーズ一覧

ネットワークビジネス(MLM)や高額サポート契約、情報商材系の勧誘は、商品名やビジネスの正体を最初に明かしません。

代わりに、心理的な隙を作り、期待や不安を刺激する「言葉」から入るのが特徴です。

 

以下は、SNSや寄せられた相談、実際の事例から抽出した「典型的なセリフ」です。

▼最初の段階でよく使われる誘導ワード

  • 「権利収入って知ってる?」
  • 「今の時代、収入はひとつじゃ危ないよね」
  • 「自由な働き方に興味ない?」
  • 「副業より“資産型”の働き方が大事だよ」
  • 「普通に働くだけじゃ稼げない時代だよ?」

▼あなたの不安や悩みに寄せる言葉

  • 「そのままの人生で本当にいいの?」
  • 「夢叶えたいなら、行動しないと変わらないよ?」
  • 「収入アップしたいって言ってたよね?」
  • 「自分の可能性、もっと信じていいんだよ」

▼成功者アピール型の常套句

  • 「周りには成功してる人ばかりだよ」
  • 「有名人もやってるし、実績もある会社だよ」
  • 「月収◯◯万円の仲間紹介するね」
  • 「再現性あるから、誰でもできるよ」

▼断れなくさせる焦らせワード

  • 「今決めるなら特別枠で案内できる」
  • 「選ばれた人しか声かけてないんだよ」
  • 「今日申し込まないなら、この話はもう出せない」
  • 「本気じゃない人には時間使えないんだよね」

これらは単体で成立する言葉ですが、複数が組み合わさった瞬間、ほぼ確実にビジネス目的の誘導です。

特に「友達・知り合い・久しぶりの連絡」から始まり、上記のワードが続く場合は注意が必要です。

第5章|勧誘されても大丈夫。「角が立たない断り方」テンプレ集

ネットワークビジネスの勧誘は、友人・恋人・家族・仕事関係など、人間関係を前提に近づいてきます。

そのため、はっきり断りたいのに「傷つけたくない」「気まずくなるのが嫌」という理由で断れない人も多いのが現実です。

 

ここでは、状況別にそのまま使える文章例をまとめました。

▼やんわり断りたい場合

  • 「教えてくれてありがとう。でも私は今、収入や仕事に関する話は探していないよ。」
  • 「興味がないから、参加や紹介は控えるね。」

▼勧誘を断っても押してくる場合

  • 「何度も言ってるけど、私は参加する意思はないよ。」
  • 「これ以上その話を続けるなら、距離を置くよ。」

▼仕事・学校・サークル内で断る場合

  • 「仕事(学校/サークル)と勧誘は分けたいので、この話は続けません。」
  • 「規則で勧誘は禁止されているので参加できません。」

※注意: 「断っているのにしつこく勧誘する」行為は、特定商取引法で禁止されています。無視・ブロックして問題ありません。

第6章|もう契約してしまった人へ──できる対処は必ずある

「もう契約したから無理だ…」

「支払い続けるしかない」

と思い込む必要はありません。

ネットワークビジネスや高額サポート契約は、法律に基づき途中解約・返金・支払い停止ができるケースがあります。

▼ステップ1|契約内容・購入形態を確認

  • 商品購入のみ?(例:化粧品・サプリ)
  • サービス型?(コンサル・サポート・教材)
  • ローン契約 or 一括払い?

▼ステップ2|期間内なら「クーリングオフ」

  • 書面・メール・LINEで通知OK
  • 理由不要/取消権あり

※契約書・パンフレットに「クーリングオフ対象」記載があるはずです。

▼ステップ3|ローン払いの場合

金融機関に対し、「支払い停止の抗弁権」を使うことができます。

→サービス未提供・誤認契約・虚偽説明の場合に有効。

諦める必要はありません。

相談し、手続きを踏めば、支払いの停止や返金ができるケースは多くあります。

第7章|数字で見る現実──成功者は「全体の数%」だけ

勧誘では「誰でもできる」「再現性がある」「フリーランスの時代に必要なスキル」と言われがちですが、実態は大きく異なります。

特定名は伏せますが、消費者庁が公表している資料や複数のMLM収支データをまとめると、次の傾向が明確です。

収益層 割合 特徴
利益なし・赤字 約70〜90% 商品購入や登録費でマイナス
月1,000〜5,000円の利益 約5〜20% 「続ければ稼げる」と言われる層
上位0.1〜1% ごく少数 セミナー講師・猛勧誘側

つまり、実際に利益を得られる人は全体の1%未満。

ほとんどの参加者は「教材・登録料・イベント参加費」を支払う側で終わります。

 

さらに近年の情報商材型MLMは、「スキル習得」「夢」「自由」をキーワードにしたコーチ・講師型モデルに進化しています。

✔ 実質的な構造は昔と同じ
「上が儲かり、下が支える階層型」

もし相手が、

「簡単に」

「誰でも」

「仲間と」

「人生変わる」

と言うなら、距離を置くサインです。

成功率ではなく、負担・損失のリスクを見て判断しましょう。

第8章|なぜハマる?MLMが使う「心理トリガー」5つ

「騙される人は弱い」

「判断力がない」

と思われがちですが、そうではありません。

MLM勧誘は科学的に研究された心理誘導が組み込まれているため、誰でも落ちる可能性があります。

①返報性の法則

「無料で相談に乗ってあげる」

「友達だから特別に教えるよ」

何かを受け取ると、断ることが「悪いこと」のように感じてしまいます。

②承認欲求への刺激

「あなたセンスあるよ」

「普通の人とは違う」

「このまま埋もれるのはもったいない」

これは自己効力感を一時的に上げる手口です。

悩みや劣等感がある時ほど刺さりやすくなります。

③不安とFOMO(取り残される恐怖)

「今決断しないと枠が埋まる」

「今の波に乗れないと未来が変わらない」

判断を急がせるのは、冷静に考えられる時間を奪うため。

④コミュニティ依存

参加後は似た価値観の人に囲まれ、「抜けたら関係が崩れる恐怖」が生まれます。

⑤サンクコスト効果

お金・時間・労力を注ぎ込むほど、後に引けなくなる心理が生じます。

重要:これはあなたが弱いからではありません。
仕組みがそう設計されているだけ。

だからこそ、早い段階で気づくこと・距離を置くことが大切です。

第9章|診断と対策──もし誘われているなら

次の項目にいくつ当てはまりますか?

  • 「友達として話したい」→途中から仕事の話
  • 「今決めて」
  • 「限定枠」
  • 「特別に紹介」
  • 最初に料金を教えてくれない
  • 契約よりコミュニティを推す
  • 「家族には言わない方がいい」と言う
  • 質問に答えずポジティブな言葉だけ返してくる
0〜2個 様子見でOK
3〜5個 危険信号。距離を置くべき
6個以上 ほぼMLM型勧誘です。即断推奨

即使える断り文(コピペOK)

  • 「契約やお金が絡む話は受けません。」
  • 「興味ないので、今後は話題にしないでください。」
  • 「ビジネス目的なら関係を続けられません。」

もし相手が断ってもなお勧誘してくる場合
その人はあなたを「友達」ではなく、ビジネス上の「見込み客」として扱っています。

関係性に罪悪感や遠慮を感じる必要はありません。

あなたの生活やお金、未来より優先されていい関係はありません。

 

すでに契約してしまい不安を感じている場合は、ひとりで抱え込まず、消費者ホットライン(局番なし188)へ相談してください。

状況によってはクーリングオフ制度支払い停止(抗弁権)が適用されるケースもあります。

 

焦らされて契約したものは、時間を置くほど判断が鈍くなることがあります。

「迷い」は危険信号。

引き返すタイミングは今が最速です。

あなたは悪くありません。
お金・夢・希望・不安──そういう感情につけ込む仕組みが悪いだけです。

第10章|実際に起きた事件・行政処分・裁判例「現実はすでに動いている」

「自分には関係ない」「まさか友達がそんなことはしない」と思う人ほど、被害に遭いやすくなります。

ここでは、行政が実際に動いた事例を、匿名化しながら紹介します。

ケース1:大学サークルを狙った勧誘(2023)

ある地域では、大学の音楽・声優・映像系サークルを中心に、特定のMLM商材が急速に拡散しました。

「人脈を広げれば仕事に繋がる」

「収入が増えたら作品制作の自由度が上がる」

といった言葉で誘導され、多くの学生が代理店契約用のローンを組みました。

結果、複数の苦情が集まり、自治体の消費生活センターが注意喚起を発表。

中には中退した学生も出たと報告されています。

ケース2:「デビュー商法」として扱われた音楽関連勧誘(2022)

「本気で音楽で食べていきたい人だけ」

「特別枠」

「選ばれた人しか案内しない」

といった言葉を使用し、音楽志望者をターゲットに高額プラン契約を勧誘。

 

プランには

「アーティスト育成」

「SNSコーチング」

「音源制作権利」

などが含まれ、支払い方法はほとんどローンでした。

契約者の多くが「断れない空気だった」「借りてでもやる人が成功すると言われた」と証言しています。

行政調査の結果、「誤認誘引(誤解させる誘導)」に該当する可能性が高いとして是正措置が行われました。

ケース3:商品購入ノルマによる破産申請(裁判例)

過去には、販売員が売れ残り商品を引き受け続けた結果、数百万円規模の在庫を抱え、経済的に追い込まれた事例も存在します。

裁判所はその商材と勧誘方法について「収益構造が極めて不合理で、説明が不十分」と判断し、被害者側が救済されたケースがあります。

事例の共通点

  • 契約前に成功者を前提とした説明がある
  • 借金を勧める、または抵抗を弱める発言がある
  • 「今だけ」「特別」「限定」などの煽り文言が頻発する
  • 中途解約・返金方法が曖昧、または意図的に伏せられる

つまり、被害者は「情報不足」ではなく、「意図的に判断力を奪われている」のです。

第11章|よくある質問(FAQ)──迷いや不安に答えます

Q1. 契約してしまいました。返金できますか?

可能性があります。特に、サービス(役務)を受けていない分は途中解約が可能です。

ローン契約の場合は「支払い停止の抗弁権」が使えます。

Q2. 断りたいのに、言いづらいです…。悪い人ではないので。

多くの場合、勧誘者自身も「信じている側」です。

敵ではありません。

しかし、あなた自身の生活・将来・精神を守ることが優先です。

Q3. 「成功している人がいるから大丈夫」と言われました。

成功例は上位1%未満です。

ほとんどの人が利益ではなく「商品購入や会費」で赤字になります。

Q4. 断るための文章はありますか?(コピペ可)

  • 「お金の話が絡む内容は、すべて断っています。」
  • 「将来設計に合わないので参加しません。」
  • 「今後この話題を出されても返事はしません。」

Q5. 親・友達・恋人が参加しています。どうすれば?

相手を否定するのではなく、まず事実を整理し、距離を置きつつ専門窓口へ相談することが推奨されます。

第12章|なぜ騙される?心理学から見る「人が落ちる罠」

MLMが恐ろしいのは、論理ではなく「感情」に訴える点です。

以下の心理操作は、恋愛詐欺・情報商材・宗教勧誘にも共通しています。

①FOMO(Fear of Missing Out)|取り残される不安

「今動かないと損する」

「成功者はもう始めている」

こう言われると、人は焦り、正常な判断ができなくなります。

②返報性の法則

食事を奢られた、時間を割いてくれた、応援してくれた…。

人は受け取った恩を返したくなるよう設計されています。

③社会的証明

タワマン、ブランド服、高級車。

成功者が目の前にいると、説明が合理的でなくても信じやすくなります。

④コミットメントと一貫性

「話だけ」「一度説明だけ」のつもりが、気づいたら契約書の前。
人は、一度YESと言うと、その流れを崩せなくなります。

⑤孤立化と依存

否定的な家族や友人から離れるよう誘導され、コミュニティが唯一の居場所になります。
この状態になると、論理より帰属意識が優先されます。

つまり、「騙された」のではなく「仕組みとして落とされた」のです。

第13章|まとめ|「不安」ではなく「知識」で自分を守る時代へ

ネットワークビジネス(MLM)、高額サポート商材、成功を装うSNSアカウント…。

これらは形こそ変わっても、狙われる心理・構造・結果は昔からほとんど変わっていません。

 

承認欲求、仲間意識、「今決めないと損する」と思わせる焦り。

そうした感情が揺らぐ瞬間に付け込まれ、人は冷静な判断を奪われてしまいます。

 

でも、知識があれば止まれます。

冷静になれる情報があるだけで、救える未来があります。

もし今、不安や違和感、後悔を感じているなら
それは「気づき」であり、引き返せるサインです。

契約済みでも、状況によってはクーリングオフ支払い停止(抗弁権)が使える場合があります。

ひとりで抱え込む必要はありません。ぜひ、以下の相談窓口を活用してください。

▼ 無料で相談できる窓口一覧

消費者ホットライン 局番なし 188(イヤヤ)
最寄りの消費生活センターにつながります。
国民生活センター https://www.kokusen.go.jp/
法テラス(法律相談) 0570-078374
https://www.houterasu.or.jp/
収入条件により無料相談が可能。
日本弁護士連合会 https://www.nichibenren.or.jp/
地方自治体の無料法律相談 役所・自治体サイトで「法律相談」で検索可。

断ることは悪ではありません。

「あなたを利用する関係」より、「あなたを尊重する環境」を選ぶ方が、ずっと健全です。

 

もし迷っているなら、慌てて動かなくて大丈夫。

深呼吸して、一晩寝て、情報を整理してください。

焦らされた契約に価値はありません。

 

あなたは、借金して入る成功ではなく、静かに未来を選べる側の人です。

 

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