インフルエンザ2025｜今の流行・検査・ワクチン・薬・出席停止まで完全ガイド

季節の変わり目に入り、インフルエンザの話題が少しずつ増えてきました。

例年より早い流行入りを発表した自治体もあり、2025年はすでに「注意報レベル」に達している地域も出ています。

特に今年は気温の寒暖差が大きく、免疫が落ちやすい時期。

体調を崩したり、感染が広がるリスクが高まっています。

 

この記事では、2025年のインフルエンザについて最新の流行状況から検査、ワクチン、治療薬、出席停止のルールまでをまとめました。

全国および主要都道府県の公式発表リンクも掲載しており、地域ごとの感染動向をすぐに確認できます。

 

また、今年は例年よりも「B型」や「夏場の持ち越し感染」が話題に。

これまで冬の病気と思われていたインフルエンザが、夏から秋にかけても散発的に流行しています。

感染症法上の位置づけ変更後（五類移行）もあり、「自宅療養の判断」「出席停止期間」「職場での扱い方」が分かりにくくなっているのも現状です。

 

本記事では、そんな疑問を解決しながら、実際にどう行動すればよいかを具体的に解説します。

最新情報をもとに構成しているため、家族や職場での感染対策にも役立ててください。

インフルエンザは、正確な情報と初動の早さが何よりも大切です。

体調に異変を感じたとき、周囲で感染が増え始めたとき、この記事をチェックして最新の対応を確認してみてください。

1. いまの発生状況（全国・自治体の最新データ）

2025年10月時点で、インフルエンザは全国的に流行が拡大傾向にあります。

例年のピークは1〜2月ですが、今年は夏以降も小規模な流行が続き、秋に入ってから再び増加しています。

感染研（国立感染症研究所）の報告では、9月下旬から定点あたりの患者報告数が急上昇し、特に関西や関東の都市部で注意報レベルに達しています。

この秋は、気温の変化が激しく湿度も低下傾向にあるため、ウイルスが空気中で長く生存しやすくなっています。特にオフィスや学校など、密閉された空間では感染リスクが上昇します。地域によってはコロナとの同時流行（ツインデミック）を警戒し、医療機関で「インフル＋コロナ同時検査」を導入しているケースも増えています。

今後も気温が下がる11〜12月にかけて流行が拡大する見込みです。

ワクチン接種が始まるこの時期に、自分の住んでいる地域の発生状況をこまめにチェックしておきましょう。

次の章では、実際に検査を受けるタイミングと市販キットの注意点について解説します。

2. 検査（いつ・種類・費用・市販キット）

インフルエンザの検査は、発熱後の時間や症状の出方によって結果の精度が変わります。

現在は医療機関での検査が主流ですが、薬局などで購入できる体外診断用キットも普及しており、感染拡大防止のために自宅で検査する人も増えています。

2-1. 検査を受けるタイミング

発熱してすぐに検査を受けても、ウイルス量が少なく陰性になることがあります。一般的には発熱から12〜24時間以降に検査を行うと陽性率が上がります。症状が強い場合や、家庭や職場に高齢者・乳幼児などがいる場合は、時間を待たずに受診しても構いません。

2-2. 主な検査方法の種類

現在、日本で行われている主な検査法は以下の通りです。それぞれ特徴が異なるため、症状や医療機関の設備によって使い分けられています。

検査方法	概要	結果までの時間	特徴
迅速抗原検査	鼻ぬぐい液などから抗原を検出	約10〜30分	最も一般的。発症後12時間以降で精度向上。
PCR検査／等温増幅法	遺伝子を増幅して検出	1〜2時間	高感度だが設備が必要。医療機関や一部自治体で実施。
抗体検査	血液中の抗体を測定	当日〜翌日	過去感染の有無を知る目的。現在の感染診断には不向き。

2-3. 費用の目安と保険適用

インフルエンザ検査は、発熱などの症状がある場合に保険適用となります。

自己判断で検査のみを希望する場合や、医師の判断で不要とされた場合は自費になることがあります。

2-4. 市販の検査キットを使うときの注意

薬局で販売されているインフルエンザ検査キット（体外診断用医薬品）は、家庭で利用できるものもあります。

ただし、一般用と医療用では精度が異なり、誤判定のリスクがあります。自己検査で陽性・陰性が出ても、必ず医療機関で確認しましょう。

発熱や強い倦怠感を感じたときにすぐ検査が受けられない場合は、家庭用キットを活用して感染拡大を防ぐのも一つの手です。

ただし、結果の信頼性は限定的なため、陽性時は必ず医療機関で正式な診断を受けましょう。

次の章では、流行期に入る前に知っておきたいワクチンの効果・副反応・接種時期・費用について詳しく解説します。

3. ワクチン（効果・時期・副反応・費用）

2025年のインフルエンザワクチン接種は、全国的に9月下旬〜10月初旬から始まっています。

接種開始のタイミングは自治体や医療機関によって異なりますが、厚生労働省は毎年「10月中の接種」を推奨しています。

ワクチンは接種から約2週間後に効果が現れ、4〜5か月ほど持続します。

3-1. 効果と目的

ワクチンは「感染を完全に防ぐ」ものではなく、重症化を防ぐためのものです。

接種することで発熱や合併症（肺炎・脳症など）のリスクを大幅に下げる効果があります。

また、感染しても症状が軽く済む傾向があります。

3-2. 接種に適した時期

インフルエンザの流行は例年12月〜翌年3月にピークを迎えます。

そのため、ワクチンは10月中に接種を完了しておくのが理想です。

特に高齢者や持病がある人は、免疫が十分に上がるまでに時間がかかるため、早めの接種が推奨されています。

対象者	おすすめの接種時期
一般成人	10月〜11月上旬
高齢者・持病がある人	9月下旬〜10月中旬
子ども（2回接種）	1回目：10月上旬／2回目：11月上旬
妊婦・医療従事者	体調が安定している時期（医師と相談）

3-3. 副反応と注意点

ワクチン接種後は、注射部位の腫れや痛み、軽い発熱などが起こることがあります。

多くは1〜2日で自然におさまりますが、強い倦怠感やアレルギー症状が出た場合は医療機関を受診してください。

3-4. 費用と助成制度

インフルエンザワクチンは基本的に自費ですが、65歳以上や基礎疾患がある人は、自治体の公費助成が受けられます。

2025年度も多くの市区町村で1,000〜2,000円程度の自己負担に抑えられています。

ワクチンの供給量は年によって変動があるため、早めの予約がおすすめです。

特に小児科や内科では10月中に予約枠が埋まることもあります。接種のタイミングを逃さないよう、かかりつけ医に事前に確認しておきましょう。

次の章では、感染してしまったときに使われる治療薬（タミフル・ゾフルーザなど）の違いと使い方について解説します。

第4章｜治療薬（タミフル・ゾフルーザ・イナビル・リレンザなど）

インフルエンザの治療では、ウイルスの増殖を抑える「抗インフルエンザ薬」が使われます。

発症後48時間以内の服用が効果的とされ、早期対応が回復を左右します。

主な治療薬の種類と特徴

薬の名前	投与方法	主な特徴
タミフル（オセルタミビル）	カプセル／ドライシロップ	最も一般的な経口薬。A型・B型の両方に効果があり、発症後48時間以内の服用で症状を軽減。
リレンザ（ザナミビル）	吸入薬	直接肺に届く吸入タイプ。胃腸が弱い人にも使いやすいが、使用手順に注意が必要。
イナビル（ラニナミビル）	吸入薬（1回投与）	1度の吸入で治療が完了するタイプ。特に小中学生に処方されることが多い。
ゾフルーザ（バロキサビル）	内服薬（1回投与）	2018年登場の新薬。ウイルスの増殖を早期に抑えるが、耐性株の報告もあり医師判断で使用。

服用のタイミングと注意点

• 発症後48時間以内の服用が原則。
• 高熱や強い倦怠感がある場合は、自己判断せず早めに受診を。
• 小児や高齢者では異常行動の報告もあるため、服用後は目を離さないことが推奨されています。

副作用とリスク

抗インフルエンザ薬は安全性が高いとされますが、まれに以下のような副作用がみられることがあります。

主な副作用	対応の目安
吐き気・腹痛	軽度であれば様子を見て可。症状が強い場合は服用中止し医師相談。
下痢・頭痛	水分補給を心がける。持続する場合は医療機関へ。
異常行動（特に未成年）	まれに報告あり。服用後2日間は一人にしないよう注意。

参考：厚生労働省｜インフルエンザ（治療・薬に関する情報）

5. 出席停止・登校/登園・出勤の目安

学校の出席停止は、法律で明確に定められています。

インフルエンザでは「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日（幼児は3日）を経過するまで」が基本です。

ここでの発症日は発熱などの症状が出た日で、日数の数え方は発症した日を0日目として起算します。

5-1. 日数のカウント例（登校の最短目安）

ケース	経過	出席停止期間の数え方	最短の復帰目安
A：小中高	発症0日目に発熱、1日目に解熱	発症5日経過＋解熱後2日（解熱日は0日として翌日からカウント）	発症6日目かつ解熱後2日経過の翌日を目安
B：小中高	発症2日目に解熱	同上	発症7日目前後（解熱後2日も満たす日）
C：幼児	発症2日目に解熱	発症5日経過＋解熱後3日（幼児は+1日）	発症7〜8日目前後（園の指示に従う）

日数の算定方法は各省庁資料でも同様の取り扱い。

5-2. 保育所・認定こども園の扱い

5-3. 大人の出勤再開目安と診断書の扱い

項目	内容
法的な統一基準	なし。会社の就業規則・産業医の指示に従う。学校基準を参考に運用する企業が多い。
復帰時の書類	治癒証明書や陰性証明書の提出は不要とするのが望ましいとされる。
配慮事項	咳やくしゃみが残る間はマスク着用、体調不良時は在宅勤務や休暇で無理をしない。

第6章｜予防と日常生活でできる対策

インフルエンザはワクチンや薬だけでなく、日常生活の工夫によっても大きく予防できます。

特に家庭・学校・職場では、「感染を広げない」ための習慣づけが重要です。

6-1. 感染を防ぐための基本習慣

対策項目	ポイント	補足
マスク	鼻と口をしっかり覆う。着脱時は耳ひも部分を持つ。	布マスクよりも不織布マスクが有効。湿ったらすぐ交換。
手洗い	外出後・食前・トイレ後に30秒以上の手洗い。	アルコール消毒も有効。指先・爪・手首まで洗う。
うがい	帰宅時・起床時にうがいを行う。	水またはお茶でもOK。喉を潤すことで感染リスクを軽減。
換気	1時間ごとに数分の換気を行う。	窓を2方向開ける「対角線換気」が効果的。
加湿	室内湿度を40〜60％に保つ。	乾燥はウイルスの浮遊を助長。加湿器や濡れタオルを活用。

6-2. 体調管理と免疫を高める生活習慣

習慣	具体的なポイント	効果
十分な睡眠	6〜8時間を目安に。寝不足は免疫低下を招く。	体内リズムを整え、感染への抵抗力を高める。
バランスの取れた食事	ビタミンC・D、たんぱく質、発酵食品を意識。	免疫細胞の働きをサポート。腸内環境も整える。
適度な運動	ウォーキングやストレッチを1日20分程度。	血流促進・代謝向上により免疫機能を維持。
水分補給	喉を乾燥させないよう1〜2時間ごとに少しずつ。	ウイルスの侵入を防ぐ粘膜の潤いを保つ。

6-3. 家庭・職場・学校での予防マナー

6-4. 高齢者・基礎疾患のある人の注意点

高齢者や基礎疾患（糖尿病・心疾患・肺疾患など）のある方は、重症化リスクが高いため特に注意が必要です。

項目	注意点
ワクチン接種	毎年必ず受ける。かかりつけ医と相談し、他のワクチン（肺炎球菌など）との時期も調整。
早期受診	発熱や咳が続く場合はすぐ受診。重症化を防ぐため、抗ウイルス薬を早期に開始。
同居家族	家族が発症した場合はマスクと手洗いを徹底し、部屋を分けて過ごす。

参考

厚生労働省｜インフルエンザ（予防・生活上の注意）
国立感染症研究所｜インフルエンザ情報センター

第7章｜よくある質問 Q&A

質問	回答
熱が下がったらすぐ出勤・登校していい?	学校は発症後5日かつ解熱後2日経過が基本。 幼児は解熱後3日。大人は法的統一基準はないが、解熱直後は無理をしない。 咳や倦怠感が残る間は在宅勤務や休養を検討。
家族が陽性になった。 家庭内での過ごし方は?	部屋を可能な範囲で分け、食器やタオルの共用を避ける。 換気を増やし、ドアノブやスイッチをこまめに清拭。 看護者は不織布マスクと手洗いを徹底。 高齢者や基礎疾患のある家族には特に配慮する。
インフルエンザと普通の風邪の違いは?	インフルエンザは突然の高熱、強い倦怠感、関節痛、頭痛が出やすい。 風邪はのどの痛みや鼻症状が中心で、発熱は軽めが多い。 流行状況と症状で医師が総合判断する。
夏や秋にもかかる?	主流は冬だが、夏から秋にかけて散発的に発生する年がある。 地域差が大きいので最新の週報や自治体情報を確認する。
ワクチンを打っても感染することはある?	ある。 ただし重症化のリスクを下げ、入院や合併症の予防に役立つ。 接種から効果発現までは約2週間必要で、効果は数か月持続する。
市販薬で対処してもいい?	解熱鎮痛薬などで症状緩和はできるが、抗インフルエンザ薬は医師処方が基本。 未成年は解熱後2日間の異常行動に注意し、独りにしない。持病や妊娠中は必ず受診を。
感染力はいつまで続く?	発症直前から発症後5〜7日程度が目安。 小児では長引くことがある。 解熱後もしばらくは咳エチケットと手指衛生を続ける。
検査で陰性だったが症状が強い	発熱直後はウイルス量が少なく陰性になることがある。 医師の判断で翌日に再検査する場合がある。自己判断での外出は避け、指示に従う。
ゾフルーザやイナビルは1回で治療完了?	ゾフルーザは1回内服、イナビルは1回吸入で基本は完了。 ただし年齢や体重、基礎疾患、耐性の懸念などで医師が他薬を選ぶこともある。 用法は必ず守る。
妊娠中や授乳中でも治療薬は使える?	状況に応じて医師が選択する。 自己判断での服薬は避け、早期受診が基本。 解熱鎮痛薬も種類によって適不適があるため専門家に相談する。
子どもの異常行動が心配	未成年では発熱後2日間に転落などの異常行動が報告される。 薬の有無に関わらず一人にしない。 窓の施錠や高所の危険対策を行う。
他のワクチンと同時接種はできる?	基本的に同時接種は可能。 体調や既往歴によって調整が必要な場合があるため、かかりつけ医に相談する。 スケジュールを無理なく組むことが大切。

第8章｜まとめ

2025年のインフルエンザは、全国的に例年より早い流行傾向を見せています。

季節や地域ごとの差はありますが、厚生労働省・国立感染症研究所の週報をこまめに確認しながら、早めのワクチン接種と日常的な予防が重要です。

受診・相談の目安

症状	対応の目安	相談先
38℃以上の発熱・強い倦怠感	医療機関を早めに受診。市販薬での放置は避ける。	かかりつけ医または発熱外来
呼吸が苦しい・息切れがある	重症化のサイン。救急外来を検討。	#7119（救急安心センター）
乳幼児・高齢者・持病あり	症状が軽くても早期受診。脱水に注意。	地域の保健所または小児科

※この記事は2025年10月時点の公的情報・医療ガイドラインをもとに作成しています。内容は最新の行政発表や医療機関の方針により変わる場合があります。