
「ポストに変な印がついていた」
「最近インターホンが増えた」
「もしかして下見されているのかも…」。
そんな不安を抱えながらも、具体的な対策が分からず、そのままにしていないでしょうか?
空き巣は「どこか遠くで起きている犯罪」ではありません。
警察庁のデータでは、住宅を狙った侵入窃盗が令和6年だけで全国約1万6,000件、1日あたり約44件のペースで発生しているとされています。
また、政府広報オンラインでも、住宅への侵入窃盗の侵入経路として、無施錠の窓や玄関からの侵入が最も多いと警鐘が鳴らされています。
つまり、「鍵をかけているつもり」「うちは大丈夫のはず」という油断が、そのまま空き巣にとってのチャンスになっているのが現実です。
本記事では、
- 空き巣が実際に使う「前兆・下見サイン」
- 狙われやすい家・狙われにくい家の特徴
- 今日からできる具体的な防犯対策
- 年末年始にやってはいけない行動
- 万が一、被害に遭ってしまった場合の流れ
まで、公式データと実際の手口を踏まえながら、順番に解説していきます。
「知らなかった」では済まされない被害だからこそ、この記事を読みながら、自分の家を一緒にチェックしていきましょう。
この記事の目次です
第1章|空き巣が急増する理由|なぜ年末年始は特に危ないのか
「侵入窃盗は減少中=もう安心」ではない
警察庁の統計では、侵入窃盗全体の認知件数は長期的には減少傾向にあります。
しかし、直近でも住宅を狙った侵入窃盗だけで1万件規模、1日あたり40件以上が発生している状況は変わっていません。
数字だけを見ると「昔より減っているから安心」と感じてしまいがちですが、実際には、
- 防犯意識の低い家だけがピンポイントで狙われる
- 手口が巧妙化し、発見されにくくなっている
- 「あえて狙いやすい家」に集中する傾向が強い
といった選別型の被害が進んでいるのが現状です。
年末年始は「長期不在」と「気の緩み」が重なる
年末年始は、普段は在宅が多い家庭でも、
- 実家への帰省
- 旅行・レジャー
- カウントダウンイベント・初詣
などで、家を空ける時間が一気に長くなります。
その一方で、仕事や家事に追われているうちに「戸締まりチェックがルーティン化しておらず、抜け漏れが出やすい」という心理的なスキも生まれます。
空き巣から見ると、
- いつもより長く家主が帰ってこない
- 帰省・旅行で「何日も留守」にしがち
- 年末のバタバタで、防犯意識が一段落ちる
という「絶好のタイミング」になりやすいのです。
ポスト・新聞・照明…日常の風景が「留守サイン」になっている
政府広報オンラインでも、「郵便物やチラシが溜まったポスト」「夜になっても真っ暗な家」は、空き巣にとっての分かりやすいターゲットだと指摘されています。
実際の空き巣は、いきなり侵入するのではなく、
- 同じ家の前を何度も通る
- ポストや玄関周りの変化をチェックする
- 夜間の照明の付き方・生活音の有無を確認する
といった「下見」をしたうえで、狙う家を決めていきます。
年末年始は、
- ポストにチラシ・DM・年賀状などが溜まりやすい
- 「留守の間は電気代がもったいない」と照明を完全に消しがち
- カーテンの隙間から、室内が真っ暗なことが一目で分かる
といった条件が重なり、何も対策していない家は「ここは長く留守になる家ですよ」と空き巣にアピールしている状態になってしまうのです。
手口はシンプルでも「選ばれた家」だけが狙われる時代
警察庁や防犯サイトの分析では、住宅への侵入窃盗の侵入経路として、
- 無施錠の窓・玄関
- ガラス破り
が依然として上位を占めており、特別な道具や最新技術だけが使われているわけではありません。
言い換えると、
- 「鍵を閉め忘れた家」
- 「見通しが悪く、暗くて死角が多い家」
- 「留守サインが分かりやすく出ている家」
だけが、効率よく選ばれて狙われている状態です。
第2章からは、実際に空き巣が使う「前兆・下見サイン」を、具体例とともにチェックしていきます。
第2章|空き巣の前兆・下見サイン|気づかれずに始まっている「侵入準備」

空き巣は、いきなり侵入するわけではありません。
多くの場合、数日〜数週間にかけて 下見(マーキング)を行い、家主の生活リズムや防犯レベルを観察しています。
次の項目に一つでも心当たりがある場合、すでにターゲットとしてチェックされている可能性があります。
今すぐ家の周りを確認してみてください。
①ポスト周辺の「マーキング」|シール・チョーク・○や数字の落書き
近年、空き巣の下見として使われているのが、ポスト周辺・電気メーター横・表札付近の小さな印です。
| マーキング例 | 意味の例 |
|---|---|
| ○、◎ | 狙いやすい / 留守が多い |
| ×、△ | 防犯対策が強い / 犬・監視カメラあり |
| 数字(1・3・5など) | 訪問日や家主が不在だった回数 |
| 小さな丸シール | 「要監視」「長期留守の可能性あり」 |
※謎の印を見つけた場合は、速やかに除去し、写真を保存→自治体・警察へ相談を推奨します。
②玄関のインターホン回数が増えた|「居住確認」の可能性
正規の営業や配達ではなく、名乗らずに話さない・勧誘理由が曖昧な訪問が続く場合は注意が必要です。
- 毎回「すぐ帰る」
- 訪問理由を濁す
- 夜間・平日の昼に来る
これは家主の在宅時間 / チャイム応答状況を確認する 「生活サイクル調査」の可能性があります。
③玄関前や敷地内に「小石・割り箸・葉っぱ」が置かれる
玄関や郵便ポストの前に、小石や割り箸・ガムの包み紙などが置かれている場合があります。
これは、
- 家主が外出しているか
- 何日間動かされないか
を確認するための「痕跡型マーキング」です。
※特に年末年始・長期不在時は狙われやすくなる傾向があります。
④夜になっても電気がつかない日が続く
空き巣は、夜の照明状態を必ず確認します。
以下の条件が続くと、ターゲット候補となりやすいです👇
- 毎日暗いまま
- カーテンの隙間から室内が真っ暗
- 帰省・旅行前後で照明パターンが変化
暗い家は空き巣にとって「成功率が高いサイン」です。
⑤ポストがパンパン|チラシ・DM・新聞が溜まっている
ポストの溜まり具合は、もっともわかりやすい「留守サイン」です。
特に、
- 年末年始の年賀状・DM
- 新聞の挟まれたままの状態
- チラシが複数日分溜まったまま
これは「長期不在確定」と判断される代表例です。
⑥同じ人・車・自転車・不審者が自宅周辺を何度も往復
狭い路地や住宅街で、
- 毎日同じルート
- 明らかに住宅を見ながら歩いている様子
- スマホ片手で撮影しながら歩く不自然な動き
これは「侵入経路」「ブラインドゾーン」「逃走ルート」確認の可能性があります。
⑦ベランダ・2階窓付近に異物(ひも・配線・ペットボトル)
集合住宅では、ベランダフェンスや2階窓付近に、
- 結束バンド
- 小さなテープ
- ストロー
- ペットボトル
などが「目印として設置される事例」も報告されています。
触る前に写真撮影→保存→撤去→警察相談がベストです。
▼チェックリスト|当てはまるものに✓
| 項目 | ✓ |
|---|---|
| ポスト周辺に謎の印・シール・数字がある | |
| インターホン数が急に増えた・名乗らない訪問が多い | |
| 玄関に小石・紙片・割り箸などが置かれていた | |
| 帰省・旅行後、ポストが溢れていた | |
| 夜に電気がついていない日が続くことがある | |
| 不審者・同じ車・自転車を複数回見かけた |
1つ該当:注意
2つ以上:警戒レベル上昇(防犯対策必須)
4つ以上:すでに「狙われている可能性」あり。早急な対策を推奨
第3章|狙われる家と狙われない家の違い|空き巣が選ぶのは「リスクの低い家」
空き巣は無差別に侵入するわけではありません。
実際の犯行心理として、
- 短時間で侵入・逃走できるか
- 留守かどうかが外から判断しやすいか
- 侵入の痕跡・姿が周囲に見えにくいか
これらの条件が揃った家を優先して狙う傾向があります。
つまり、空き巣は「侵入しやすさ」「バレにくさ」で家をランク付けしているのです。
以下の比較表を見ながら、自宅がどちらに当てはまるかチェックしてみてください。
狙われやすい家 vs 狙われにくい家|比較表
| ポイント | 狙われやすい家 | 狙われにくい家 |
|---|---|---|
| 外観・生活感 | 植木が伸び放題/郵便物が溜まる/照明が毎日消灯 | 夜間照明あり/ポスト整理済み/生活感が一定 |
| 侵入経路 | 窓が無施錠/雨戸なし/死角が多い | 補助鍵・防犯フィルム/死角にセンサーライト |
| 防犯設備 | 何もなし/カメラのダミー感がある | 防犯カメラ・録画警告ステッカーあり |
| 目立ち方 | 静かで人気なし/道路から見えにくい | 人の出入りが把握されにくい構造/照明や音で在宅演出 |
| 周辺環境 | 隣家との距離がある/高い塀で見通し悪い | 見通し良好/近隣目線が届く |
当てはまる項目が多いほど、空き巣から見た「成功率が高い家」に分類されやすくなります。
空き巣が最も嫌う条件とは?
防犯意識の低い家に対し、空き巣が避けるのは次の特徴です。
- 録画機能のある防犯カメラ・スマートドアベルが設置されている
- センサーライト・人感ライトが家周辺にある
- 「録画中」「警察巡回中」などのステッカーが見える
- 窓・玄関に補助錠が複数あり、時間がかかる構造
- 近隣住民の目が届く(視線が多い)
空き巣犯の多くは、
「5分以内に侵入できなければ諦める」
と言われています。
つまり、侵入までの手間・時間・リスクを上げれば上げるほど、ターゲットから外れるということです。
マンションと一軒家|狙われ方の違い
住宅タイプによって、空き巣の視点は少し変わります。
| 住宅タイプ | 狙われやすいポイント |
|---|---|
| マンション | オートロックを過信し無施錠の個別ドア/1階・角部屋・ベランダ隣接 |
| 一軒家 | 死角の多い裏庭/塀・植木による視界遮断/窓侵入が容易 |
どちらに住んでいても、「防犯意識の隙」が狙われる最大のポイントです。
診断基準|あなたの家はどのレベル?
| 該当数 | 危険度 |
|---|---|
| 0〜2個 | 安全ゾーン(維持・強化) |
| 3〜6個 | 注意ゾーン(改善ポイントあり) |
| 7個以上 | 危険ゾーン(優先的に防犯対策を) |
もし「危険ゾーン」に該当した場合でも大丈夫です。
次の章で紹介する防犯対策を実践すれば、多くの項目を短期間で改善できます。
「今日できる具体的な空き巣対策」を整理していきます。
第4章|今日からできる空き巣対策|コスト・効果別で最短改善プラン

空き巣対策は「まとめてやらなければ効果が出ない」わけではありません。
1つの対策でも、侵入にかかる時間やリスクが増えれば、空き巣はターゲットから外します。
ここでは、予算や住まいに合わせて、今すぐ始められる対策を「段階別」に整理しました。
①まずは0円でできる防犯習慣(今日から可能)
- 夜間は戸締まり前ルーティンを作る(玄関・ベランダ・トイレの小窓まで)
- カーテンは外から室内が見えないタイプに変更
- 帰省・旅行前後はポストの整理を徹底
- 在宅中でも鍵をかける(特にマンション1階・角部屋)
- 留守をSNSに書かない/位置情報は切る
意外ですが、「鍵の閉め忘れ」だけで侵入されるケースが最も多いとされています。
まずは習慣改善=最大の予防策と考えてください。
②100均や低価格でできる対策(1,000〜3,000円程度)
お金をほぼかけずにできる対策でも、十分効果があります。
- 窓用補助錠(サッシロック)
- 防犯フィルム(飛散防止)
- 「録画中」「警察巡回中」ステッカー
- インターホン横の来訪録画ステッカー
- センサーライト(電池式)
特に窓対策は効果が高く、侵入時間を2倍以上遅らせると言われています。
時間がかかれば、空き巣は諦めます。
③通販・家電レベルの対策(1万円〜)
最近は自宅で簡単に設置できる「スマート防犯機器」が増えています。
- スマートドアベル(録画付きインターホン)
- Wi-Fi防犯カメラ(夜間撮影・スマホ通知対応)
- 屋外センサーライト(ソーラー充電式)
これらは、「録画されるかもしれない」という心理的ブレーキにより、高い抑止効果があります。
豆知識
空き巣は「カメラの質より、設置の有無」を気にします。
見える場所・玄関周辺に設置すると効果が倍増します。
人気・売れ筋グッズをチェック
以下は、楽天市場の「防犯グッズ週間ランキング」で上位に入っているアイテムです。
購入前の参考にどうぞ。
④本格的な防犯サービス(セコム/ALSOK/地域警備)
万全を目指す場合や、一軒家・長期留守予定・高額品所持の場合は、警備会社の利用も選択肢です。
※ここでは比較のため事実ベースで紹介します。
| 会社 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| セコム | 国内最大手。警備機器〜駆けつけ体制が充実。医療・高齢者見守りとの連携も強い。 | 戸建て・資産管理・家族防犯を重視する人 |
| ALSOK | コスト面が比較的手頃。防犯カメラ・ドアセンサー・遠隔管理が強み。 | 初めてのホームセキュリティ導入層 |
どちらも、
- 録画・センサー感知 → 警備センター通知
- 異常検知 → 警備員が現地確認
という「人が動く防犯」が最大の強みです。
補助鍵やカメラでは不安な方、または実家・空き家・別荘管理を考える場合にも候補になります。
⑤帰省・旅行・長期不在前に必ずやるべきリスト
- ⚪ 窓・玄関・勝手口の全施錠チェック
- ⚪ タイマー照明で生活リズムを演出
- ⚪ カーテンは「閉めっぱなし」ではなく生活感設定
- ⚪ ポストの郵便物は家族・管理会社に依頼
- ⚪ ゴミ出し・植木・新聞ストップなど不在サイン消し
長期不在ほど、「留守に見せない演出」が重要です。
第5章|プロの防犯サービス・警備会社を活用する
年末年始の帰省や旅行で「数日〜1週間以上家を空ける」場合、自分だけの対策では不安が残ります。
そんな時は、プロによる見守りサービスやホームセキュリティの導入も選択肢に入れてください。
安心の根拠は「24時間監視体制」です。
侵入検知・鍵開閉・異常通知などを自動で行うため、留守中の不安が大幅に減ります。
なぜホームセキュリティが選ばれているのか
警察庁の防犯データでは「防犯カメラ・警備システムがある家は侵入リスクが低い」ことが示されています。
泥棒は下見の段階で「リスクの高い家」を避ける傾向があります。
空き巣は「侵入に時間がかかる家」「捕まる可能性が高い家」を避けます。
そのため、セキュリティの可視化は有効です。
ホームセキュリティの種類
① 月額制の警備サービス
センサーが反応すると警備員が駆けつけるタイプです。
火災・非常通報にも対応するプランがあるため、高齢者の見守りや在宅時の防犯対策としても使われています。
- 特徴:本格的・信頼性が高い
- 向いている人:年末年始に長期不在/空き家がある/不安が強い
② 買い切り型の防犯システム
Wi-Fi接続のカメラやセンサーを自宅に設置し、スマホアプリで見守る方式です。
月額料金が不要なため、初めて防犯対策を導入する人に選ばれています。
- 特徴:初期費用のみ/管理は自分
- 向いている人:一人暮らし・賃貸・費用を抑えたい人
最近は「クラウド録画」「人感AI検知」「遠隔会話機能」など高機能化が進んでおり、導入のハードルが下がっています。
セキュリティ導入の判断基準
| 状況 | おすすめ対策 |
|---|---|
| 一人暮らし/賃貸 | 買い切り型カメラ・センサー・録画アプリ |
| 年末年始など長期不在 | 月額制ホームセキュリティ+防犯グッズ |
| 戸建て・持ち家 | ハイブリッド(警備サービス+カメラ) |
空き巣対策は「できる範囲で組み合わせること」が重要です。
玄関周りだけ、窓だけ、ではなく、全体を見直すことで侵入率は大きく下がります。
次章では、実際に起きている手口と、自宅の危険度セルフチェックを用いて、今すぐ見直せるポイントを整理します。
第6章|空き巣の実際の手口とセルフチェック
空き巣被害は「偶然の侵入」ではありません。
多くの場合、事前の下見やタイミングを見計らったうえで行われています。
ここでは、実際に多い侵入方法と、自宅の危険度をチェックできるリストをまとめました。
よく使われる侵入手口

① 無施錠(鍵の閉め忘れ)
警察庁の統計では、侵入窃盗の約半数が「無施錠」の家から発生しています。
玄関の鍵を閉めていても、勝手口・ベランダ・トイレ窓が開いたままのケースが多い傾向です。
「短い外出なら大丈夫」という油断が狙われます。
回覧板・ゴミ出し・駐車場までの移動でも、鍵を閉める習慣を作ってください。
② サムターン回し
ドアポストや工具を使い、室内側のツマミ(サムターン)を回して侵入する手口です。
古い賃貸や単独ドアの住宅では、いまも狙われています。
③ ガラス破り(クレセント侵入)
窓ガラスの隅を三角に割り、そこから手を入れて鍵を回す方法です。
防犯フィルムなしの窓は、30秒〜2分程度で侵入されると言われています。
④ 合鍵・住所特定型
SNSに写り込んだ住所・表札・郵便物・マンション名を手掛かりに、ターゲットが特定される事例が増加しています。
鍵番号の写真から合鍵を作られるリスクも確認されています。
自宅の危険度セルフチェック
当てはまるものにチェックを入れてください。
※また、第2章で紹介した「下見サイン」も合わせて、実際にあなたの家でも起きていないか確認してください。
| 項目 | チェック |
|---|---|
| 窓・勝手口・ベランダを無施錠で過ごすことがある | □ |
| 郵便物がポストに溜まりやすい | □ |
| 玄関に防犯カメラ・センサーライトがない | □ |
| 窓ガラスに防犯フィルムが貼られていない | □ |
| SNSで自宅・鍵・旅行予定を投稿したことがある | □ |
| 夜帰宅時、玄関周りが暗いままになっている | □ |
該当数が多いほど、対策の優先度は上がります。
次章では、「まず何から対処すべきか」を優先度順にまとめました。
今日からできる改善点を整理していきましょう。
第7章|優先順位別|今日から始める防犯強化ステップ
防犯対策は「やることが多くて何から始めれば良いか分からない」という声が多く聞かれます。
そこで、効果の高い順にステップ形式で整理しました。
時間や予算に合わせて進めてください。
ステップ①|まずは「侵入しにくい家」に見せる

空き巣は下見の段階でターゲットを絞ります。
「この家は面倒そう」
「見られるリスクが高い」
と思わせることが第一です。
- 防犯カメラ(ダミー含む)を設置
- 警備会社シール・防犯ステッカーを貼る
- ポスト・玄関周りの放置物を片付ける
- 外灯・センサーライトを点灯させる
特にステッカーは低コストでありながら抑止力が高い対策です。
通販や100円ショップでも手軽に購入できます。
ステップ②|「破られにくい鍵・窓」へアップグレード
侵入に時間がかかるほど、空き巣は諦めます。
窓と玄関周りの強化は、最も効果が高い分野です。
対策例
- 補助錠(内側に追加する鍵)を設置
- 窓に防犯フィルムを貼る(厚手タイプ推奨)
- クレセント錠を防犯仕様に変更
- ドアスコープ・郵便受けに覗き防止カバーを装着
空き巣の多くは「2〜5分で侵入できる家」を狙うと言われています。
そのため「時間がかかる仕組み」をつくるだけでも高い効果があります。
ステップ③|録画・見守り・遠隔通知システムを導入
年末年始の帰省や旅行など、留守期間が長くなる家庭では、カメラ・人感センサー・録画機能の導入が推奨されています。
- スマホ連動型Wi-Fiカメラ(屋内・屋外)
- 侵入検知センサー
- 録画付きドアホン
- 遠隔通知型のスマートロック
録画機能がある防犯機器は、万が一被害があった場合、証拠として警察に提出できる点でも非常に価値があります。
ステップ④|生活習慣を「防犯仕様」に変える
防犯は「設備」よりも「習慣」で結果が変わります。
空き巣の侵入機会を与えない生活習慣こそが、最大の防御です。
- 外出・ゴミ出し・ゴミ捨て場までの移動でも必ず施錠
- 郵便物を溜めない(帰省シーズンは郵便局の不在時保管サービスも活用)
- SNSで旅行日程・位置情報を投稿しない
- 「鍵番号」「宅配伝票」「住所入り写真」をネットに載せない
- 夜間は外から生活状況が見えないようカーテンを閉める
ステップ⑤|どうしても不安ならプロに相談する
個人の対策だけでは限界を感じる場合、警備会社や防犯設備士への相談も選択肢に入ります。
専門家は「家の構造」「生活スタイル」「地域の犯罪傾向」から最適な対策を提案するため、効率よく防犯環境を整えられます。
本格導入が不安な場合は、まず無料シミュレーション・資料請求から始める方法もあります。
余裕があれば検討してみてください。
防犯対策は「完璧である必要はありません」。
しかし、対策が何もされていない家は、空き巣から見れば入りやすく、逃げやすい家です。
今日できることをひとつずつ積み重ねることで、「狙われにくい家」に変わっていきます。
次章では、万が一被害に遭った場合の法的対処・警察への通報・証拠確保方法を整理します。
第8章|万が一…空き巣被害に遭ったときの正しい行動手順
防犯をしていても「絶対安心」はありません。
もし被害に気づいた瞬間、焦って部屋に入ったり、片付けたりしてしまう人もいますが、これはNGです。
空き巣被害は「事件」です。
まずは落ち着いて、以下の順序で対応してください。
①|家の中に「侵入者がいないか」確認する
勝手口・窓・収納スペース・浴室などに潜んでいる可能性があります。
無理に確認せず、安全な位置から外に出るのが最優先です。
命・安全が最優先です。
②|室内には触れず、警察へ110番
指紋・足跡・工具痕など、証拠が残っている可能性があります。
整理・片付け・掃除・開閉は絶対に行わないでください。
警察は状況確認 → 鑑識(現場検証) → 盗難品リスト化 → 受理番号発行という流れで対応します。
110番時に伝える内容
- 「空き巣被害に気づいたこと」
- 「住所」
- 「犯人がまだいる可能性の有無」
- 「破壊箇所・痕跡の有無」
③|盗難・破損物を整理し、写真・証拠化する
鑑識後、盗難・破壊されたものを洗い出します。
記録すべき内容
- 被害場所の写真
- 盗難・紛失したもの(型番・購入価格・購入先)
- 破壊された鍵・窓・ドアの写真
- 防犯カメラ映像があればコピー
- スマートロック・センサーのログ履歴
この情報は保険請求・被害届・警察提出のすべてで役に立ちます。
④|火災保険・家財保険・加入中サービスを確認
意外と知られていませんが、多くの家庭では「火災保険や家財保険に空き巣被害の補償が含まれている」場合があります。
補償対象例
- 盗まれた現金・貴金属・家電
- 破壊された窓・鍵・サッシ・扉の修理費
- 防犯強化のための再施工費(鍵・ガラス交換など)
保険請求では警察の受理番号(被害届番号)が必要になることが多いため、先に通報・記録が重要です。
⑤|鍵・窓・防犯設備を早急に修復する
被害後は「再犯リスク」が高まります。
空き巣は一度侵入成功した家に再び来ることがあり、専門家の間でもよく知られています。
- 補助錠・スマートロック
- 防犯フィルム貼付
- バータイプの窓ロック
- 宅配ボックス・ポストの強化
- 外灯・センサーライト設置
「見える防犯」「時間がかかる構造」「証拠が残る仕組み」がポイントです。
⑥|心のケア・防犯意識の見直し
空き巣被害は金銭的ダメージだけでなく、精神的ショックが大きいものです。
眠れなくなる・音やインターホンに敏感になる人もいます。
必要であれば、自治体・警察・保険会社・カウンセリング機関に相談してください。
特に自治体によっては、防犯設備の設置補助金制度があるため、利用できるか確認してみる価値があります。
次章では、本記事で紹介した公的データ・防犯情報・自治体支援制度をまとめます。
参考リンク|公的機関・統計データ
※記事内の数字や解説は、以下の公的データ・機関情報を基に作成しています。
※統計・対象地域・手口は随時変化するため、最新情報は公式サイトで必ずご確認ください。
この記事は警察庁・政府広報などの最新公開情報をもとにしていますが、空き巣の手口や傾向は日々変化します。
不審な兆候があれば、迷わず自治体・警察相談窓口または防犯専門企業へ相談してください。
② 各自治体の支援制度
自治体によっては、防犯設備の導入に対し補助金制度が用意されています。
- 防犯カメラ設置補助金
- オートロック・錠前交換補助
- 地域見守り・防犯ボランティア連携制度
- 子ども・高齢者向け防犯講習
「防犯 自治体名 補助金」で検索すると、対象制度が見つかる場合があります。
賃貸・戸建て問わず、利用できるケースがあるため、一度確認してみてください。
③ 民間企業のサポートサービス
本記事では民間の防犯サービス(セキュリティ会社・防犯カメラ・ステッカー・防犯ガラス)にも触れました。
- ホームセキュリティ契約(例:セコム・ALSOKなど)
- スマートロックサービス
- カメラ監視・通知型見守りシステム
費用は設備型・契約型・アプリ型で異なるため、自宅の構造や生活スタイルに合わせて選ぶのがおすすめです。
防犯は「正しい知識」と「継続できる対策」が揃ったときに、最も効果を発揮します。
不安を感じたら、自治体・警察・専門企業の相談窓口を活用してください。
まとめ|空き巣対策は「気づくこと」から始まる
空き巣は偶然や運で被害にあうものではありません。
侵入する前には必ず「下見」「兆候」「試し行動」があります。
本記事で紹介した前兆サインやチェックリストは、すべて実際の犯行パターンや警察が公表している手口に基づくものです。
「自分の家は大丈夫」と油断した状態こそ、もっとも狙われやすい状況と言えます。
特に、年末年始・長期休暇・引っ越しシーズンは留守宅が増え、犯人にとって行動しやすくなる時期です。
このタイミングで対策を見直すことは、被害リスクを大きく下げることにつながります。
▼今日からできる3つの防犯ステップ
- 「見せる防犯」で空き巣にリスクがある家と思わせる(ステッカー・ライト・防犯カメラ)
- 「侵入する時間をかけさせる」(補助錠・窓ロック・スマートロック)
- 「記録と通報につなげる仕組み」(セキュリティサービス・動体検知カメラ・自治体・警察への相談)
この3つが揃うと、空き巣は「成功率が低い家」「証拠が残る家」「時間がかかる家」と判断し、ターゲットから外れる傾向があります。
また、防犯は一度整えたら終わりではなく、生活スタイルとともにアップデートする必要があります。
定期的にチェックし、気になる兆候があれば早めに動くことが大切です。
防犯は「不安だからする」のではなく、安心して暮らすための備えです。
📌 今日できる対策をひとつでいいので始めてください。その小さな行動が、大きな被害を未然に防ぎます。
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