「ドブネズミみたいに美しくなりたい 写真には写らない美しさがあるから」
この一節に、どれほど多くの人が救われてきたことでしょうか。
THE BLUE HEARTSの名曲『リンダ リンダ』に込められたこの言葉は、決して飾られた美辞麗句ではありません。
生きづらさを抱えながらも、それでも「自分の美しさ」を信じようとする――ひとりの人間のまっすぐな叫びなのです。
甲本ヒロトさんの言葉は、常に本音で語られています。
力づくで正解を押しつけるわけでもなく、気の利いた処世術を説くわけでもない。
むしろ、どこか不器用で、むきだしで、時には脆さすら感じさせる。
だからこそ、その一言が心の奥にまっすぐ届くのです。
ライブのMCでも、雑誌のインタビューでも、彼は自分の思ったことしか言いません。
照れや計算のないその姿は、ファンにとっては音楽以上の支えになってきました。
「この人は嘘をつかない」という信頼感は、時に曲そのもの以上の力を持つのです。
タモリさんはこの歌詞を評して、こう語っています。
「あれはブルースだよね。リズムじゃなくて、心がブルースなんだよ」
また、ビートたけしさんもこう明かしています。
「ブルーハーツを見て悔しかった。俺がやりたかったのは、あれだったんだよ」
お笑いも音楽もテレビも関係ありません。
人の心を突き動かすのは、「本物」かどうか――ただ、それだけです。
ヒロトさんの言葉には、世代もジャンルも超えて届く“何か”があります。
10代で初めて聴いた人も、40代になって再び耳にする人も、同じように胸を熱くさせられる。
それが“ヒロトの言葉”の持つ不思議な力です。
この記事の目次です
ヒロトの言葉が、なぜこんなにも刺さるのか
甲本ヒロトさんは、哲学者でも作家でもありません。
けれど、彼の言葉には、難解な哲学書よりも鋭く、自己啓発本よりも優しいメッセージが込められています。
それは、彼の言葉に「嘘がない」からではないでしょうか。
自分を大きく見せることもなく、器用に立ち回ることもない。
ただ、自分が信じることを、自分の言葉で伝えているだけなのです。
「売れる音楽がいい音楽なら、オレはやめるよ」
──甲本ヒロト(雑誌インタビューより)
このような言葉を、若い頃から一貫して語り続けている姿勢こそが、多くの人の心を動かしてきた理由だと思います。
THE BLUE HEARTS、THE HIGH-LOWS、ザ・クロマニヨンズ。
どの時代においても、彼はずっと「自分のまま」であり続けてきました。
ここからご紹介する30の名言は、そんなヒロトさんの魂の断片です。
次の章からは、テーマ別にヒロトさんの名言をご紹介していきます。
まずは、彼が人生をかけて鳴らし続けてきた――「音楽」にまつわる言葉たちからご覧ください。
第1章:音楽についての名言
甲本ヒロトさんにとって、音楽は仕事でもビジネスでもありません。
それは、生き方そのものであり、心の表現であり、世界と自分をつなぐ唯一の手段なのです。
どんな時代にも流されず、売れ線や流行にも媚びない。
彼が信じる音楽は、いつだって自分の中から生まれるものなのです。
名言1:売れているものが良いものなら、世界一のラーメンはカップラーメンだよ
「売れているものが良いものなら、世界一のラーメンはカップラーメンだよ」
──甲本ヒロト(インタビュー発言)
この言葉には、「売れた=正解」「数字がすべて」という価値観への痛烈な皮肉が込められています。
ヒロトさんにとって、音楽の価値は売れたかどうかではなく、“本当に伝わったかどうか”。
カップラーメンは確かに売れている。
だけど、それが「一番おいしいラーメン」かどうかは別の話。
音楽だって同じ、“自分が信じたもの”を出すことが一番大事だと教えてくれる名言です。
名言2:音楽は、理屈じゃない
「音楽は理屈じゃねえんだよ!」
──甲本ヒロト(インタビュー発言)
音楽とは、正解やお手本を学ぶものではなく、心の奥から湧き出る衝動そのものなのだ。
そんなヒロトさんの信念が、この一言に詰まっています。
彼にとって音楽は、知識で語るものでも、分析して整理するものでもありません。
もっとプリミティブで、もっと激しくて、もっと自由なもの。
だからこそ、ロックンロールは何度でも人の心を揺さぶり、時に人の人生を変えてしまうほどの力を持つのです。
名言3:まず、自分が楽しいと思えたから
「自分が歌って楽しいと思ったから、これはもしかしたら誰かも楽しいかもしれない、って思っただけ」
──甲本ヒロト(インタビューより)
ヒロトさんは「誰かを救うため」に音楽をやっているわけではありません。
まずは自分が「これ、楽しい!」と心の底から思えること。
それが結果的に誰かに伝わるなら、それで十分。
「使命」や「影響力」なんて、大げさなことを語らないからこそ、ヒロトさんの音楽にはまっすぐな力があります。
名言4:ロックンロールしか、やりたくない
「新しい音楽をやるつもりはない。ロックンロールをやりたいんだ」
──甲本ヒロト(インタビューより)
時代に合わせて音を変える。
流行や数字に乗っかる。
そういうやり方を、ヒロトさんは選びません。
彼がやりたいのは、あくまで「ロックンロール」。
それは古いとか新しいじゃなく、心が震えるかどうか。
魂が叫んでるかどうか。
変わらないことを恐れずに、好きなことを貫き続ける。
この言葉には、ヒロトさんのロック観がまっすぐに表れています。
名言5:うまく歌いたいなんて、思ったことない
「オレは歌がうまくない。でも、うまく歌いたいとも思わない」
──甲本ヒロト(インタビューより)
「歌が上手くなりたい」。
そう願う人はたくさんいます。
でもヒロトさんは、ちょっと違います。
彼にとって大事なのは、「うまさ」ではなく「気持ち」。
届くかどうか。
響くかどうか。
それだけを信じて、声を出してきたのです。
この言葉には、表現に必要なのは完璧さではなく、魂の叫びだという強いメッセージが込められています。
名言6:『リンダ リンダ』より
「ドブネズミみたいに美しくなりたい 写真には写らない美しさがあるから」
──『リンダ リンダ』(1985年ライブ初披露/1987年リリース)
音楽に込められた言葉が、こんなにも胸に迫ることがあるのか。
この一節に、多くの人が「自分にも誇れる美しさがある」と気づかされたはずです。
冒頭で書きましたが、タモリさんは、この歌詞を聴いて「これはブルースだよね。リズムじゃなくて、心がブルースなんだよ」と語りました。
つまり、ヒロトさんの音楽はスタイルではなく魂の音楽なのです。
このように、ヒロトさんにとって音楽は「届けるもの」であり「叫ぶもの」であり、そして「希望そのもの」なのです。
✅ 第2章:自由と反骨精神の名言
甲本ヒロトさんといえば、「自由」という言葉がよく似合います。
でもそれは、気ままに好き勝手やるという意味ではありません。
誰にも媚びず、嘘をつかず、自分の信じたことだけを選び続ける――。
その覚悟を貫く姿こそが、彼の言う「自由」なのです。
名言7:普通の人が、いちばん怖い
「“普通の人”ってのがいちばん怖いんだよ。何考えてるかわかんねえから」
──甲本ヒロト(雑誌インタビューより)
ヒロトさんは「普通でいたい」とか「普通に見られたい」という感覚に、どこか違和感を持っています。
「普通」ってなんだろう? みんなと同じ? 目立たないようにすること?
でもそれって、自分を消すことでもある。
だからヒロトさんは、“普通の人”がいちばん怖いと言います。
何を考えてるのか見えない、感情がわからない、意思が感じられない――。
それは、彼にとってもっとも遠い存在なのです。
名言8:ルールについて
「“常識”って誰が決めたの? そんなのクソだよ」
──甲本ヒロト(ライブMC)
ヒロトさんは、“誰かが決めた当たり前”に強く疑問を持ちます。
「従うか従わないか」ではなく、「そもそも疑ってみろよ」と笑っているような言葉。
ルールを破ることが目的ではなく、自分の感覚を信じて生きることの大切さが、ここに込められています。
名言9:真面目について
「ふざけてる方が正しいってこともあるんだよ」
──甲本ヒロト(インタビュー)
ちゃんとすることが評価されるこの時代。
でもヒロトさんは、もっと自由な視点で世界を見ています。
ふざけること、笑うこと、遊ぶこと。それらを真面目さより大切にしているのです。
この言葉は、真面目であることが唯一の正しさじゃないと教えてくれます。
名言10:ガマンについて
「悲しいときは泣けばいい。無理に我慢することないよ」
──甲本ヒロト(ライブMC)
ヒロトさんのMCには、ときどき驚くほど優しい言葉が混ざります。
その優しさは、経験に裏打ちされた本物のもの。
無理に我慢しなくていい。泣いてもいい。叫んでもいい。
そう言ってくれるこの一言は、リスナーの心を軽くしてくれます。
名言11:同調圧力・個性について
「みんなと一緒がカッコイイなんて、誰が決めたの?」
──甲本ヒロト(雑誌インタビュー)
この言葉には、ヒロトさんらしい“ニヤッと笑ってる皮肉”が込められています。
「カッコイイ」って、そもそも誰の価値観?
みんなと同じである必要なんて、どこにもない。
それよりも、自分の中にある“好き”や“変”を貫くこと。
それが本当のカッコよさだと、ヒロトさんは教えてくれます。
名言12:風の強い日を、あえて選ぶ
「風の強い日を選んで 飛ばした」
──『紙飛行機』(ザ・ハイロウズ/1995年)より
このフレーズには、甲本ヒロトの生き方がにじみ出ています。
普通なら避けたくなる「風の強い日」。
けれど彼は、あえてその日を選んで飛ばすのです。
それは、自分にとって楽なタイミングではなく、魂が一番暴れたがっている瞬間を逃さず掴むということ。
「誰かに決められた道ではなく、自分で選ぶ」。
という自由の覚悟が、短い一行にぎゅっと詰まっています。
この言葉に背中を押された人は、きっと少なくないはずです。
✅ 第3章:青春と生き方に関する名言
甲本ヒロトさんの言葉には、「がんばれ」とは違う優しさがあります。
それは、決して押しつけではなく、「今のままでもいいんだよ」とそっと寄り添うような温度です。
夢や進路、友達関係、将来の不安…
青春のなかで揺れ動く人たちにとって、ヒロトさんの名言は、まるでもう一人の自分から届いたメッセージのように感じられます。
名言13:逃げるというのは、戦うこと
「逃げるっていうのは戦うことなんだ」
──甲本ヒロト(雑誌インタビューより)
「逃げるな」
「立ち向かえ」
といった言葉は、世の中にあふれています。
しかし、甲本ヒロトさんはそんな常識とは少し違う視点を持っていました。
彼が語った「逃げるっていうのは戦うことなんだ」という言葉には、ただ逃げるのではなく、「自分を守るための選択」としての逃げ方が込められています。
本当に辛い場所から離れるというのは、心を守るための、勇気ある戦いなのです。
無理に我慢するのではなく、自分自身を信じて行動すること。
その姿勢こそが、ヒロトさんの持つ優しさであり、強さなのかもしれません。
名言14:下手でも、いいじゃん
「下手でもいいじゃん。オレなんてずっと下手だよ」
──甲本ヒロト(ライブMCより)
完璧じゃないとダメだと思っていた。
失敗したら、もう終わりだと思っていた。
でも、ヒロトさんはあっけらかんと笑いながら言います。
「下手でもいいじゃん」。
この言葉には、うまくやることよりも、続けることを大切にしている彼の姿勢がにじんでいます。
誰かと比べなくていい。
自分のペースで、不器用でも、やっていけばいい。
そう思わせてくれる名言です。
名言15:かっこいいって何だろう?
「オレはバカになりたかったんだよ。頭のいいフリして生きていくのが一番ダサいと思ったから」
──甲本ヒロト(雑誌インタビューより)
甲本ヒロトさんは、「頭の良さ」や「常識的な正しさ」に興味がありません。
彼にとって大切なのは、自分の気持ちに正直であること。
そして、嘘をつかず、自分を曲げずに生きることです。
この発言には、そんなヒロトさんの「美学」が詰まっています。
バカになれる強さ、それこそが、彼の考えるかっこよさなのです。
名言16:やりたいことしか、やらない
「バカでけっこう。やりたいことしかやらない」
──甲本ヒロト(雑誌インタビューより)
「バカだな」って笑われてもいい。
「意味あるの?」って言われても構わない。
ヒロトさんは、そんな声に耳を貸しません。
大事なのは、「やりたいかどうか」だけ。
この言葉には、自分の直感に従って行動する勇気と、それを貫くための潔さが込められています。
「後悔しない生き方」とは、やりたいことしかやらないというシンプルな選択なのかもしれません。
名言17:笑われたって、やればいい
「笑われたっていいよ。オレは自分が好きなことをやるだけだから」
──甲本ヒロト(ライブMC)
誰かに笑われるのが怖くて、踏み出せないときがある。
でもヒロトさんは、それを気にしません。
「だって、好きだから」。
理由なんて、それで十分。
人の評価や正解を探すよりも、“好き”という感覚を信じて動く。
その潔さこそが、ロックであり、ヒロトさんの生き方です。
名言18:『青空』より(作詞:真島昌利)
「生まれたところや皮膚や目の色で いったいこの僕の何がわかるというのか」
──『リンダ リンダ』と並ぶ代表曲『青空』(1988年)より
※作詞:真島昌利(ギター/愛称:マーシー)
この歌詞は、ブルーハーツのギタリスト・マーシーこと真島昌利さんが書いたものです。
けれど、この強く静かな叫びを、甲本ヒロトさんが全身全霊で歌ったからこそ、私たちの胸に深く残っているのではないでしょうか。
ヒロトさんの“言葉”ではなくても、彼の“魂”で歌われた言葉として紹介する価値があると考え、この名言のひとつに選びました。
ヒロトさんの言葉は、過去に戻ることができない私たちに、「それでも前を向こうぜ」と言ってくれているようです。
迷っていい、不器用でいい、答えが出なくてもいい。
そんな許しをくれる名言ばかりです。
✅ 第4章:恋愛と人間関係の名言
■ 恋愛と人間関係の名言
甲本ヒロトさんは、恋愛について多くを語るタイプではありません。
だけど、ふとしたインタビューやライブMCのなかで、「人と向き合うことの難しさ」や「孤独の肯定」を静かに語ってくれることがあります。
ヒロトさんの言葉の魅力は、「慰め」でも「励まし」でもなく、自分で気づかせてくれる余白があることかもしれません。
名言19:恋愛観
「恋愛ってさ、べつに無理にするもんじゃないよ」
──甲本ヒロト(『音楽と人』インタビュー)
これは“恋愛至上主義”に疑問を呈したインタビューの一節。
「恋をしない自分はダメなんじゃ?」という空気に、ヒロトさんがサラッと風穴を開けた瞬間でした。
名言20:無理しなくていい
「行きたくない場所に無理して行く必要なんてない」
──甲本ヒロト(MC)
ヒロトさんは、無理を強いられる空気に対していつも“逃げ道”を許してくれます。
学校でも、会社でも、家庭でも。
「行かなくてもいい」「逃げたっていい」という言葉は、彼のMCにたびたび現れます。
名言21:泣くことを否定しない
「泣きたいときに泣けるって、カッコいいよ」
──甲本ヒロト(ライブMC)
これは、涙を否定せずに受け入れるヒロトさんらしい言葉。
「泣くのはダサい」なんて言わせない。
それは弱さじゃなくて、ちゃんと感じてる証拠だと彼は知っているのです。
名言22:理解されなくてもいい
「誰かにわかってもらうために歌ってるわけじゃない」
──甲本ヒロト(インタビュー)
これは、ヒロトさんが「共感」や「理解」を目的としない姿勢を示した名言です。
わかってもらわなくていい。でも、伝える。
それが彼の表現の核です。
名言23:うまく言えなくても、言えばいい
「伝わんなくても、とりあえず言えばいいんだよ」
──甲本ヒロト(ライブMC)
「どう言えば伝わるだろう」
「ちゃんと説明しなきゃ」
そうやって言葉をこねくり回してしまうときがあります。
でもヒロトさんは、そんなうまくやろうとする姿勢よりも、まず「言うこと」「投げること」が大事だと教えてくれます。
たとえ伝わらなくても、その瞬間に感じた気持ちをちゃんと声にすること。
それが、誰かの心に届く何かになるのかもしれません。
✅ 第5章:MC・インタビュー・ライブでの名言
■ MC・インタビュー・ライブでの名言
甲本ヒロトさんは、ステージ上でもインタビューでも、思ったことをそのまま言葉にするタイプです。
だからこそ、その言葉には嘘がなく、熱があって、時に不器用で、それでもまっすぐです。
MCでの一言に泣いた人、雑誌のコメントをスクラップして今も持っている人――。
そんな“ライブ感のある名言”を7つ、ここで紹介します。
名言24|無理して来なくていいんだよ
「来てくれてありがとう。でも無理すんなよ。無理して来なくていいから」
──甲本ヒロト(ライブMC)
ヒロトさんのライブで印象的なのは、ファンへの感謝よりも「心配」のほうかもしれません。
「ありがとう」のあとに、必ず「無理すんなよ」と言う。
それはきっと、音楽が“ごほうび”じゃなく、“休憩所”であってほしいから。
この言葉は、心がしんどいときにこそ沁みてきます。
名言25|楽しかったら、それが正解
「楽しかったら、それが正解」
──甲本ヒロト(ライブMC)
ヒロトさんは、評価や意味づけを他人に委ねません。
「正解」なんて、他人が決めるもんじゃない。
楽しいと思ったら、それが正解。
ロックだと思ったら、それがロック。
その日の気分でいい。
その瞬間に感じたことが、あなたの真実。
だからヒロトさんは、こんなふうに言ってくれるのです。
名言26|楽しいから歌う。でも届いたら、もっと嬉しい
「オレが楽しいから歌ってる。だけど、それが誰かに届いたら、もっと楽しいよね」
──甲本ヒロト(インタビュー)
ヒロトさんは「みんなのために歌ってる」なんて言いません。
それは、彼にとって嘘になってしまうから。
まずは自分の楽しいややりたいが先にある。
でもその衝動が誰かの胸に届いたとき――その瞬間こそが音楽の奇跡。
「誰かのため」じゃなく、「自分の爆発が、誰かに届いたら嬉しい」。
それがヒロトさんのロックです。
名言27|政治のために歌ってるわけじゃない
「政治のために歌ってるわけじゃない。ただ歌いたいだけ」
──甲本ヒロト(インタビュー)
世界を変えようとか、誰かを救おうとか――。
ヒロトさんは、そんな大きすぎることにはあまり興味がないようです。
彼が音楽をやるのは、自分が歌いたいから。
自分が生きてるって実感するため。
それだけで、きっと十分なんだと教えてくれます。
名言28|ズドンってくる、それだけでいい
「音楽は理屈じゃねえんだよ。ズドンってくるかどうかだけなんだ」
──甲本ヒロト(雑誌インタビュー)
最近の音楽は、きれいにまとまりすぎてる。
そんなふうに思うことがあります。
でもヒロトさんは、音楽に論理や正しさを求めません。
「ズドンと来るかどうか」。
それだけが、音楽のすべて。
この言葉は、感じることに正直であれという強烈なメッセージです。
名言29|歌は“上手い”じゃなくて、“旨い”でいい
「歌は“上手い”じゃなくて、“旨い”でいいんだよ」
──甲本ヒロト(インタビュー)
この名言は、ある若手ミュージシャンが「もっと歌が上手くなりたい」と漏らしたときに、ヒロトさんが返した言葉です。
「うまく歌う」ことに意識が向きすぎると、本当に伝えたいことが抜け落ちてしまう。
だから“上手い”ではなく、“旨い”――つまり心が込もっているかどうかを大切にしろと伝えたのです。
「ロックに必要なのは、技術じゃなくて気持ちなんだよ」。この言葉に、ヒロトさんの音楽哲学が詰まっています。
名言30|生きてること自体が、すごいこと
「生きてることが、そもそも才能だよ」
──甲本ヒロト(インタビュー)
誰かに認められなくても、特別な何かを持っていなくても、生きてるってこと自体が、すでにすごい。
ヒロトさんは、そんなふうに語ってくれます。
「結果」も「成功」もいらない。
ただ、生きてるだけで、ちゃんと存在してる。
そのままの自分で大丈夫だと、この言葉がそっと教えてくれます。
■ まとめ|ヒロトの言葉は、自由と誠実のロックンロール
甲本ヒロトさんの名言を30本紹介してきました。
どれも技巧的ではなく、飾らず、むきだしで、でも不思議とやさしい言葉ばかりです。
人と比べて落ち込んだとき、誰にも理解されないと思ったとき、何者にもなれない自分を責めたとき。
ヒロトさんの言葉は、そうした“うまく生きられない瞬間”にそっと寄り添ってくれます。
- 「上手くなくていい」
- 「理解されなくていい」
- 「逃げてもいい」
そんな肯定を、彼はずっとロックンロールのなかで叫び続けてきました。
この30の言葉を通して感じたのは、ヒロトさんが自由とは、自分に嘘をつかないことを教えてくれているということです。
ヒロトさんの音楽を聴いたことがない人にも、これらの言葉がなにかのきっかけになれば、そう願っています。
※本記事では、甲本ヒロトさんがライブやインタビューなどで語ってきた言葉、またファンの間で広く知られている言葉をもとに再構成しています。
すべての出典が確認されたものではありませんが、言葉が誰かの心に届くことを願ってまとめています。
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