
「開運」「運気アップ」「除霊」などの言葉がきっかけで、気づけば高額な商品やサービスを勧められていた。
それは、いわゆる霊感商法と呼ばれるトラブルの典型例です。
霊感商法は、特別な人が引っかかるものではありません。
不安が重なったタイミングや、家族のことを思う気持ち、将来への焦りなど、誰にでもある感情につけ込まれたとき、判断が揺らいでしまうことがあります。
特に最近は、SNS(Xなど)で「開運」「厄落とし」「波動」といった言葉が短文で拡散されやすく、日常の延長線上でそれっぽい情報に触れる機会も増えました。
言葉自体がすべて危険というわけではありませんが、怖さをあおって急がせる勧誘が混ざると、一気に霊感商法の形に近づきます。
この記事では、霊感商法とは何かをできるだけ分かりやすく整理し、よくある手口や具体例、違法性の考え方、被害を防ぐ対策までをまとめます。
「これって霊感商法?」
「家族がハマっているかもしれない」
と感じたときの判断材料として、落ち着いて読み進めてください。
この記事の目次です
第1章|霊感商法とは?なぜ人は信じてしまうのか
霊感商法とは、霊的な力や超常的な存在を持ち出し、相手の不安や恐怖に訴えかけて商品やサービスを契約させる商法のことを指します。
「先祖の因縁がある」
「このままだと不幸が続く」
「今すぐ対処しないと危険」
など、本人では確かめようのない理由を根拠に金銭を要求する点が大きな特徴です。
霊感商法は「信仰」や「スピリチュアル」そのものが問題なのではありません。
不安をあおり、冷静な判断を奪った状態で契約させる行為が問題視されています。
霊感商法に引っかかるのは「判断力が落ちる瞬間」
心理学の観点では、人は強い不安や喪失感を抱えているとき、普段よりも「権威的な言葉」や「断定的な説明」を信じやすくなることが知られています。
たとえば、次のような状態は注意が必要です。
・家族の病気や不幸が重なっている
・仕事や人間関係で強いストレスを感じている
・将来への不安が続いている
・誰にも相談できず孤立している
こうした状況では、「原因がはっきり説明されること」そのものが、心の救いになってしまうことがあります。
よく使われる心理的テクニック
霊感商法では、次のような心理効果が組み合わされることが多くあります。
| 心理効果 | 内容 |
|---|---|
| 権威バイアス | 「特別な力がある」「視えている」と思わせ、疑問を持ちにくくする |
| 恐怖訴求 | 不幸・災いを強調し、冷静な判断を妨げる |
| 希少性の錯覚 | 「今だけ」「あなただけ」と急がせる |
| サンクコスト効果 | すでに払ったお金を理由に、さらに契約を続けてしまう |
これらは決して特別な人だけが影響を受けるものではありません。
誰でも条件が重なれば判断を誤る可能性がある点が重要です。
霊感商法と「開運」「スピリチュアル」の線引き
「開運」「運気アップ」といった言葉が使われていても、すべてが霊感商法に当たるわけではありません。
問題になるのは、次のようなケースです。
・不幸や因縁を断定的に指摘される
・買わないと悪いことが起きると言われる
・高額な契約を急がされる
・他人に相談させないように誘導される
このような要素が重なると、霊感商法として法律上の問題が生じる可能性があります。
「前向きになりたいから選んでいる」のか、
「怖いことを避けるために選ばされている」のか。
後者に近いと感じたら、一度立ち止まることが大切です。
第2章|霊感商法の典型的な手口と具体例
霊感商法では、相手が不安や迷いを抱えている状況を見極めたうえで、段階的に心理的な圧力をかけていく手口が多く見られます。
最初から高額な契約を迫るのではなく、「気になることがある」「少し視えているものがある」といった曖昧な言葉から始まり、徐々に恐怖や不安を強めていくのが特徴です。
① 不安を示唆する → ② 原因を霊的なものに結びつける → ③ 解決策を提示する → ④ 今すぐの決断を迫る
よくある霊感商法の流れ
霊感商法の勧誘は、次のような流れで進むことが多いとされています。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 不安の指摘 | 「最近、運が落ちていませんか」「家族に影響が出ています」などと不安を言語化する |
| 原因の特定 | 先祖の因縁、悪い霊、過去の行いなど本人が確認できない理由を示す |
| 解決策の提示 | 祈祷、除霊、供養、特定の商品購入で解決できると説明する |
| 決断の強要 | 「今対処しないと手遅れになる」と急がせる |
この流れの中で重要なのは、恐怖や不安が強まるほど、冷静な判断がしにくくなるという点です。
代表的な商品・サービスの例
霊感商法で勧められる商品やサービスには、一定の傾向があります。
- 壺や置物などの高額な縁起物
- 数珠・ブレスレット・パワーストーン
- お札・お守り・護符
- 除霊・浄霊・祈祷サービス
- 水子供養や先祖供養を名目とした儀式
これら自体が直ちに違法になるわけではありませんが、恐怖をあおり、高額な契約を急がせる場合には問題になります。
「壺」が象徴的に使われる理由
霊感商法の事例で「壺」がたびたび取り上げられるのは、偶然ではありません。
壺は形として価値が分かりにくく、原価が想像しにくいため、高額な価格設定がしやすいという特徴があります。
また、「家に置くことで影響が及ぶ」「割ると災いが起きる」といった説明が加えられることで、返品や処分をためらわせる心理的効果も生まれます。
商品そのものよりも、「買わなければ不幸になる」「処分すると危険」という説明が付いていないかが重要な判断ポイントです。
SNSや対面以外の勧誘にも注意
近年は、対面だけでなく電話やSNSを通じた勧誘も増えています。
特にX(旧Twitter)などでは、「開運」「運気が下がっている人の特徴」といった投稿から個別のやり取りに誘導され、徐々に私的な相談に持ち込まれるケースも見られます。
短文で断定的な表現が使われている場合や、外部サイトや個別連絡に強く誘導される場合は注意が必要です。
霊感商法の手口を知っておくことは、被害を防ぐための大きな手がかりになります。
次章では、こうした行為が法律上どのように扱われるのかを、消費者契約法を中心に整理します。
第3章|消費者契約法と霊感商法|2022年改正で何が変わったのか
霊感商法は、長年にわたって社会問題とされてきましたが、従来の法律では被害者側が不利になりやすいケースも少なくありませんでした。
その背景を受け、2022年に消費者契約法が改正され、霊感商法を含む「不安をあおる勧誘行為」への対応が強化されています。
現在は「霊感商法」という言葉を使わなくても、不安や恐怖につけ込んだ契約であれば、法律上の取消対象になる可能性があります。
消費者契約法とは何か
消費者契約法は、事業者と消費者の情報量や立場の差によって、不利な契約が結ばれることを防ぐための法律です。
事業者による不当な勧誘があった場合、消費者は契約を取り消す権利を持つことができます。
霊感商法では、この「取消権」が特に重要な意味を持ちます。
2022年改正で追加された「不安をあおる勧誘」
改正後の消費者契約法では、次のような行為が問題視されています。
| 勧誘の例 | 問題点 |
|---|---|
| 「先祖の因縁が原因で不幸になる」と告げる | 本人が確認できない事実で恐怖を与えている |
| 「今すぐ契約しないと取り返しがつかない」と迫る | 冷静な判断をする時間を奪っている |
| 不安を解消できるのはこの商品だけだと説明する | 選択肢を意図的に狭めている |
これらは、いずれも消費者の合理的な判断を妨げる行為として、契約取消の対象になり得ます。
「霊感商法」と明示されなくても取消は可能
重要なのは、契約書や説明の中で「霊感」「除霊」といった言葉が使われていなくても、実質的に不安をあおる勧誘であれば、消費者契約法の適用対象になる点です。
そのため、「開運」「波動」「エネルギー調整」など、表現が柔らかくなっていても、内容次第では問題になります。
「サインしたから」「自分で決めたから」といって、必ずしも取り消せないわけではありません。
勧誘の過程に問題があれば、後からでも相談できます。
クーリングオフとの違い
霊感商法の被害では、クーリングオフと消費者契約法の取消が混同されがちです。
| 制度 | 特徴 |
|---|---|
| クーリングオフ | 一定期間内であれば理由を問わず解除できる |
| 消費者契約法の取消 | 期間経過後でも、不当勧誘があれば主張できる場合がある |
霊感商法では、契約から時間が経っているケースも多いため、後者が重要になることがあります。
X(旧Twitter)で見かける「開運ポスト」と霊感商法の共通点
近年、X(旧Twitter)では「開運」「運気アップ」「波動」「引き寄せ」といった言葉を使った投稿が数多く見られます。
これらの投稿すべてが問題というわけではありませんが、霊感商法の手口と共通する構造を持つものが一定数存在します。
特徴的なのは、「見た人はすでに運が上がり始めている」「いいねを押した瞬間から流れが変わる」といった表現で、投稿を目にした時点で特別な意味があるかのように示唆する点です。
これにより、読み手は「自分は選ばれた側かもしれない」という感覚を抱きやすくなります。
・「この投稿を見た人は流れが変わります」
・「反応した人だけがチャンスを受け取れます」
・「効果が強すぎるので注意してください」
こうした表現は、心理学でいう自己関与効果や希少性の錯覚を刺激しやすく、「何もしないと機会を逃すかもしれない」という気持ちを生み出します。
その結果、「いいね」や「リプライ」といった軽い行動から、個別メッセージや外部サービスへの誘導へと進むケースも見られます。
「お願いを書く」「反応する」行為が持つ心理的作用
開運ポストの中には、「リプ欄に願いを書く」「特定の言葉を送る」といった行動を促すものもあります。
この行為自体に法的な問題があるわけではありませんが、心理的には小さな同意を積み重ねることで断りにくくなる効果が働きます。
一度行動を起こすと、
「ここまでやったのだから信じたい」
「無駄にしたくない」
という気持ちが生まれやすくなり、その後の提案を受け入れやすくなる点には注意が必要です。
問題なのは「開運」という言葉そのものではありません。
不安をあおり、行動を急がせ、判断の主導権を奪う構造があるかどうかが判断の分かれ目です。
SNSは日常の延長で使うため、警戒心が下がりやすい場でもあります。
霊感商法の多くは、最初から高額な話を持ち出すのではなく、こうした軽い接点から関係を深めていく点を押さえておくことが大切です。
次章では、実際に霊感商法に遭ってしまった場合に何をすべきか、どこに相談すべきかを、具体的な行動手順として整理します。
第4章|霊感商法に遭ったときの具体的な対処法【保存版】
霊感商法かもしれないと感じたとき、あるいはすでに契約や支払いをしてしまったときでも、取れる行動はあります。
大切なのは、「もう遅い」と思い込まず、できることを一つずつ整理して進めることです。
霊感商法の被害は、早めに動けば動くほど選択肢が広がります。
契約後でも、取り消しや返金の可能性が残っているケースは少なくありません。
① まずやるべきこと|証拠を残す
最初に行うべきなのは、勧誘や契約に関する証拠をできるだけ集めて保管することです。
たとえば、次のようなものは重要な資料になります。
- 契約書・申込書・領収書
- 勧誘時のメッセージやDMのスクリーンショット
- メールやLINE、SNSのやり取り
- 勧誘内容を思い出して書き出したメモ
完全にそろっていなくても問題ありません。
「不安をあおられた」「急がされた」と感じた点を、自分の言葉で整理しておくだけでも役立ちます。
② クーリングオフが使えるか確認する
契約内容によっては、一定期間内であれば理由を問わず契約を解除できるクーリングオフ制度が使える場合があります。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 期間 | 契約内容により異なるが、8日〜20日が多い |
| 条件 | 書面交付がされていることなど |
| 注意 | SNSや電話勧誘でも対象になる場合がある |
期間が過ぎていても、次の方法が使える可能性があります。
③ 消費者契約法による「取消」を検討する
不安や恐怖をあおられて契約した場合、消費者契約法に基づいて契約を取り消せる可能性があります。
特に、次のような状況があった場合は相談する価値があります。
- 不幸や災いを断定的に示された
- 今すぐ決めないと危険だと言われた
- 他人に相談させないようにされた
- 精神的に追い込まれた状態で契約した
「自分で決めた」「サインした」という理由だけで、諦める必要はありません。
消費者契約法の取消は、クーリングオフよりも幅広く使える可能性があります。
時間が経っていても、まずは相談してください。
④ SNS経由の場合に注意すること
X(旧Twitter)などSNS経由の霊感商法では、個別メッセージや外部サービスに誘導されるケースが多く見られます。
この場合、相手と直接やり取りを続けるほど心理的な負担が大きくなりがちです。
不安を感じたら、無理に説明しようとせず、連絡を控えたうえで第三者に相談することが重要です。
⑤ 公的な相談窓口を利用する
霊感商法については、国が公式に相談窓口を設けています。
一人で抱え込まず、必ず公的機関を利用してください。
- 消費者庁 霊感商法等対応ダイヤル
https://www.caa.go.jp/ - 国民生活センター(消費生活相談)
https://www.kokusen.go.jp/map/ - 法テラス(法律相談)
https://www.houterasu.or.jp/
相談は無料で行える場合も多く、「話を聞いてもらうだけ」でも問題ありません。
「早すぎる相談」はありません。
⑥ 家族や身近な人が被害に遭っている場合
家族が霊感商法に関わっている場合、頭ごなしに否定すると、かえって関係が深まってしまうことがあります。
まずは話を聞き、不安の背景や経緯を共有したうえで、第三者の相談窓口を一緒に利用することが現実的です。
感情的に責めるのではなく、「守るための行動」であることを伝える視点が重要になります。
霊感商法の被害は、本人の弱さではなく、巧妙な手口によって引き起こされるものです。
次章では、こうした被害がなぜ繰り返されるのか、心理的・社会的な背景を整理します。
第5章|なぜ霊感商法はなくならないのか|心理と社会構造
霊感商法は「気をつければ防げる」と言われがちですが、実際にはそれだけで片づく問題ではありません。
手口が巧妙であることに加え、人の心理の弱点と、現代の社会環境が噛み合ってしまうことで、同じような被害が繰り返されやすくなっています。
霊感商法がなくならない理由は、「信じる人が悪い」ではなく、人間の心理に起こりやすい反応と孤立・不安を生みやすい環境が組み合わさるためです。
① 不安が強いほど「原因が欲しくなる」
人は不安が続くと、曖昧な状態に耐えにくくなり、「なぜこんなことが起きるのか」という説明を求めやすくなります。
霊感商法では、この心理を利用して「原因」を霊的なものに結びつけ、「対策」を購入行動に変換します。
ここで大事なのは、原因が本当かどうかよりも、「説明が与えられた安心感」が先に立ってしまう点です。
不安が強いほど、断定的な言い切りや権威的な語り口が魅力的に感じられることがあります。
② 権威バイアスで疑問が止まりやすい
「視える」「分かる」「鑑定できる」という言葉は、相手を専門家のように見せる効果があります。
心理学では、権威があると感じる相手の意見を過大評価しやすいことが知られています。
霊感商法では、肩書きや実績のように見える表現、断定口調、儀式的な雰囲気を組み合わせることで、「この人は特別だ」と思わせ、疑問を持つ力を弱めていきます。
③ 小さな同意の積み重ねで断れなくなる
霊感商法の勧誘は、いきなり高額契約から始まるとは限りません。
「いいね」「リプライ」「無料鑑定」「簡単な儀式」「小額の品」など、心理的ハードルが低い行動から入ることが多いです。
一度でも行動すると、「自分で選んだ」という感覚が生まれ、後から引き返しにくくなります。
これは、行動と気持ちを整合させようとする心理が働くためで、霊感商法ではこの流れが特に利用されやすい点が重要です。
④ サンクコスト効果で被害が拡大しやすい
「ここまで払ったのだから、今やめたら全部無駄になる」という気持ちは、多くの人に起こり得ます。
これはサンクコスト効果と呼ばれ、支払ったお金や時間が大きいほど、合理的に撤退する判断が難しくなる傾向があります。
霊感商法では、「追加の儀式」「別の品」「ランクの高い対策」を提案し、支払いを重ねさせることで、本人が自力でやめにくい状態を作ることがあります。
・支払った金額が増えるほど、不安が減るどころか増している
・「次が最後」と言われ続けている
・誰かに相談するのが怖くなっている
⑤ 「相談させない」構造が孤立を深める
霊感商法でよく見られるのが、
・「誰にも言わないで」
・「理解されないから」
・「反対される」
といった言葉で、周囲との相談を断つ手口です。
孤立すると、判断材料が相手からの情報だけになり、疑うきっかけが減ります。
さらに、「信じた自分が否定される」ことへの恐れから、周囲に言い出せなくなる場合もあります。
この段階では、説得や正論よりも、第三者の支援につなげることが現実的です。
⑥ SNSの仕組みが「それっぽさ」を増幅する
SNSでは、短文で断定的な投稿ほど拡散されやすい傾向があります。
「見た人は運が上がる」
「反応した人だけ受け取れる」
といった表現は、根拠がなくても感情に刺さりやすく、さらにリプライ欄の盛り上がりが「みんなが信じている」という雰囲気を作ります。
人は多数派の行動を正しいと感じやすいため、リプライやいいねが多いほど、内容の真偽とは別に信頼感が上がってしまうことがあります。
⑦ 生活不安と孤独が「救い」を求める土台になる
霊感商法が広がる背景には、個人の問題だけでなく、社会的な要因もあります。
たとえば、生活の先行きが見えない、家族関係が希薄、頼れるコミュニティがないといった状況では、「今すぐ安心できる答え」に価値を感じやすくなります。
霊感商法は、その心理的な空白に入り込みやすい点が特徴です。
この章のまとめ|「知ること」が最大の予防になる
霊感商法は、恐怖や不安がある状況ほど近づきやすく、気づいたときには判断が難しくなっていることがあります。
だからこそ、手口や心理の仕組みを知り、「これは構造として起きている」と理解することが、最大の予防になります。
次章では、実際に霊感商法を避けるために、日常でできる予防策と、家族を守るための具体的な工夫をまとめます。
第6章|霊感商法を防ぐための具体策【チェックリスト付き】
霊感商法は、特別な知識がないから引っかかるのではなく、日常の判断が少しずつ誘導されることで起こります。
そのため、完全に避けるには「見抜く力」よりも、「立ち止まれる仕組み」を持つことが重要です。
ここでは、日常で実践できる予防策と、判断に迷ったときに使えるチェックポイントを整理します。
霊感商法を防ぐ最大のポイントは、即断しないことと第三者の視点を入れることです。
① その場で決めない仕組みを作る
霊感商法では、「今すぐ」「今日中」「今回だけ」といった言葉で判断を急がされるケースが多く見られます。
あらかじめ「高額な契約は必ず一晩置く」「誰かに話してから決める」といったルールを自分の中に作っておくだけでも、被害に遭う可能性は大きく下がります。
急がされていると感じた時点で、一度距離を取ることが重要です。
② 不安をあおる言葉をそのまま受け取らない
「不幸になる」「災いが続く」「対処しないと危険」といった表現が使われた場合、その内容が事実かどうか以前に、感情を揺さぶられていないかを確認する視点が必要です。
不安が強まっている状態では、冷静な比較や判断が難しくなります。
不安を感じたら、判断を保留すること自体が防御になります。
③ SNSでは「軽い行動」が入口になると知っておく
SNS上の霊感商法は、「いいね」「リプライ」「簡単なお願い」といった軽い行動から始まることが多いです。
行動が軽いほど警戒心が下がりやすく、その後の提案を断りにくくなる点に注意が必要です。
違和感を覚えた時点で、関わりを止める判断は間違いではありません。
④ 霊感商法セルフチェックリスト
次の項目に複数当てはまる場合は、霊感商法の可能性を疑い、一度立ち止まることをおすすめします。
| チェック項目 | 該当 |
|---|---|
| 不幸や災いを断定的に指摘された | □ |
| 今すぐ決めないと危険だと言われた | □ |
| 他人に相談しないように言われた | □ |
| 高額な商品や儀式を勧められた | □ |
| 断ろうとすると不安を強める説明をされた | □ |
2つ以上当てはまる場合は、一人で判断しないことが重要です。
⑤ 家族や身近な人を守るためにできること
家族が霊感商法に関わっている可能性がある場合、否定や説得から入ると、かえって関係が深まることがあります。
まずは話を聞き、不安の内容や経緯を共有したうえで、「一緒に確認しよう」「第三者に聞いてみよう」といった形で公的機関につなげることが現実的です。
問題を「本人の判断ミス」にしない姿勢が、解決への近道になります。
ここまでの内容を踏まえ、次はよくある疑問をQ&A形式で整理し、検索で見落とされがちな不安や疑問をまとめて解消します。
よくある質問(FAQ)|霊感商法に関する疑問をまとめて解消
Q. 霊感商法とは、簡単に言うと何ですか?
霊感商法とは、霊的な力や超常的な存在を持ち出し、不安や恐怖をあおることで商品やサービスを契約させる商法のことを指します。
本人が事実を確認できない説明を根拠に、「今すぐ対処しないと不幸になる」などと判断を急がせる点が特徴です。
Q. 霊感商法は違法なのですか?
霊感商法という言葉自体が法律で一律に禁止されているわけではありません。
ただし、不安や恐怖につけ込んで合理的な判断を妨げる勧誘があった場合、消費者契約法によって契約を取り消せる可能性があります。
内容や勧誘の仕方によっては、違法と判断されるケースもあります。
Q. 開運やスピリチュアルはすべて霊感商法になりますか?
いいえ、すべてが霊感商法に当たるわけではありません。
問題になるのは、「買わないと不幸になる」「対処しないと危険」といった恐怖を前提に、高額な契約を迫る場合です。
本人の自由意思が尊重され、断っても不利益がない場合は、直ちに霊感商法とは言えません。
Q. X(旧Twitter)の開運ポストは霊感商法ですか?
SNS上の開運ポストすべてが霊感商法というわけではありません。
ただし、不安をあおる表現や、「反応しないと損をする」と感じさせる構造がある場合、霊感商法の入り口になる可能性があります。
違和感を覚えた時点で距離を取ることが重要です。
Q. すでにお金を払ってしまいました。今からでも取り消せますか?
契約内容や勧誘の状況によっては、クーリングオフや消費者契約法による取消が認められる可能性があります。
時間が経っていても諦める必要はなく、まずは公的な相談窓口に状況を伝えることが大切です。
Q. クーリングオフの期間が過ぎていても相談できますか?
はい、相談できます。
クーリングオフ期間が過ぎていても、不当な勧誘があった場合は、消費者契約法による取消を検討できるケースがあります。
自己判断せず、専門機関に確認することをおすすめします。
Q. 家族が霊感商法にハマっているかもしれません。どうすればいいですか?
頭ごなしに否定すると、かえって関係が深まることがあります。
まずは話を聞き、不安の背景を共有したうえで、「一緒に確認しよう」という形で第三者や公的機関につなげることが現実的です。
Q. 相談すると必ず手続きを進めなければなりませんか?
いいえ、その必要はありません。
相談は情報整理や状況確認のためでも問題なく、「話を聞いてもらうだけ」でも利用できます。
無理に手続きを進められることはありません。
Q. 霊感商法かどうか判断に迷った場合は?
判断に迷った時点で、すでに一人で抱え込む必要はありません。
「違和感がある」「少しおかしいと感じる」という感覚を大切にし、早めに第三者や公的機関へ相談することが、被害を防ぐ最も確実な方法です。
まとめ|霊感商法は「知っていれば防げる」問題です
霊感商法は、特別な人だけが引っかかるものではありません。
不安が重なったとき、孤独を感じているとき、将来が見えにくいときなど、誰にでも判断が揺らぐ瞬間はあります。
そうした心理状態につけ込み、「原因」と「解決策」を霊的なものに結びつけ、急いで契約させるのが霊感商法の特徴です。
この記事では、霊感商法の定義から、具体的な手口、法律上の考え方、対処法や予防策までを整理してきました。
重要なのは、霊的な話題そのものを恐れることではなく、不安や恐怖を使って判断を急がせる構造に気づくことです。
・「今すぐ」「対処しないと危険」という言葉が出たら立ち止まる
・高額な契約は必ず一度持ち帰る
・一人で判断せず、第三者の視点を入れる
また、SNS上の「開運」「運気アップ」といった投稿も、日常の延長で触れるからこそ警戒心が下がりやすい点に注意が必要です。
軽い反応から関係が深まり、気づかないうちに霊感商法の流れに入ってしまうケースもあります。
違和感を覚えた時点で距離を取ることは、決して間違いではありません。
霊感商法かどうか判断に迷った場合や、すでに契約・支払いをしてしまった場合でも、公的な相談窓口を利用することで、状況を整理し、取れる選択肢を確認できます。
- 消費者庁 霊感商法等対応ダイヤル
https://www.caa.go.jp/ - 国民生活センター(消費生活相談)
https://www.kokusen.go.jp/map/ - 法テラス(法律相談)
https://www.houterasu.or.jp/
相談は「被害が確定してから」である必要はありません。
「少しおかしいかもしれない」「念のため確認したい」という段階で動くことが、被害を防ぐ一番の近道です。
霊感商法は、知識と視点を持っていれば、過度に恐れる必要のない問題でもあります。
この記事が、冷静に判断するための一助になれば幸いです。
関連記事






