Z世代が選ぶ!2025年上半期SNS流行語・ハッシュタグTOP10
Z世代(1996年〜2010年代生まれ)は、SNSを通じて日常の感情や社会への反応を“言葉”にして発信する文化を築き上げています。
特に2025年上半期は、世相を反映したユニークなハッシュタグが多数登場し、ネット上で大きな話題となりました。
ここでは、Z世代のSNS活用に見られる最新の言語センスと共感の仕組みを私なりに読み解いてみます。
1. TikTok・Xで流行したハッシュタグTOP10【解説付き】
ハッシュタグ | 解説 |
---|---|
#エッホエッホ | テンションMAXな動画で多用。
「走れ!」系動画や応援コメントに付けられがちです。 元ネタ不明ながらも、単語の音感と汎用性の高さから爆発的に拡散。 言葉より雰囲気で伝える、Z世代的“勢い重視”文化の象徴。 |
#令和の米騒動 | Switch2の高額転売やスタバ値上げなど、消費者の不満を皮肉るタグとして人気。
歴史的事件をパロディにする“インテリ系ユーモア”の表れですかね。 |
#TikTokで見たやつ | 見たものを「やってみた」系投稿に活用。
実際の効果検証や失敗談も含め、リアリティがある点が信頼されています。 日常とバズ文化の接点に。 |
#加工詐欺 | 加工後の画像とすっぴんなどを並べて“自虐”として笑いを取る文化。
加害でも被害でもない“ネタ化”の力で、自己肯定感と笑いを両立。 |
#今の気持ちをGIFで表すと | GIFのみで感情表現を完結させる投稿が増加。
視覚重視で言葉を使わないスタイルがZ世代的。 無言の“共感誘導型コミュニケーション”。 |
#明日提出のレポートが終わらない | 焦燥感や不安を笑いに変える学生投稿の定番。
時間との戦い、要領の悪さも含めて“愛されキャラ”になれるタグ。 |
#じわじわくる画像 | Xを中心にシュールな画像をシェアする動き。
最初は意味不明ですが、後からじわじわ笑える“遅効性”が特徴。 |
#今日はこれだけ食べた | 食生活の記録として使われますが、実際は食べすぎ・ダイエット・自分甘やかし投稿の言い訳にもなります。 |
#これがZ世代 | 自分たちの価値観・ライフスタイルを象徴的に表現。
過剰消費や格差を笑い飛ばす投稿も多い。 |
#親ガチャ | 家庭環境や生まれの不平等を象徴する言葉。
就活や進学の場面で再び注目され、共感と議論を呼んでいます。 |
実際の投稿と背景
#エッホエッホ
この投稿をInstagramで見る
【みんなの反応】
- かわぇぇ〰️🥰
- 完壁な尺( -`ω-)b
- 遠くから走ってるシルエットからずっとかわいい☺️
この#エッホエッホはこちらの投稿から始まりました。
エッホエッホ
ママに夜ご飯いらないって伝えないと
エッホエッホ pic.twitter.com/8dshR7nJgR
— うお座 (@zlatanera17) February 24, 2025
今年の2月下旬にメンフクロウの赤ちゃんが歩いている海外の写真家が撮影した画像にコメントを付けてポストしました。
これがバズって似たような投稿が増えていきました。
エッホエッホ
家に水筒忘れた
エッホエ……
ペットボトル買えばいいや
エッホエッホ pic.twitter.com/Z03notuaHg
— RAMU. (@RAMU_SioN) February 24, 2025
そして、いろいろなパターンが出てきました。
@larmemagazineエッホエッホ ツインテールユラシテ ステージイカナキャ !! ᥬ👶🏻ᩤ #松本かれん #かれんたん #まつかれ #fruitszipper #ふるっぱー エッホエッホ #idolrunwaycollection #IRC_TGC IRC_tgbcRUITS ZIPPER ) @FRUITS ZIPPER @I DOLRUNWAY COLLECTION♬ オリジナル楽曲 – LARME official – LARME official
アイドルグループのFRUITS ZIPPERの松本かれんさんたちが走る動画にして投稿してさらに広まり、
@ujitama0話題のエッホエッホフクロウが豆知識教えにくるうた作ってみた。エッホエッホ♬ エッホエッホのうた – うじたまい
これらをモチーフに動画クリエイターのうじたまいさんが作詞・作曲で音源化し、さらに流行しました。
確認してください、いろんなパターンでたくさん投稿されてますよ!
#令和の米騒動
2024年後半頃からX(旧Twitter)やTikTokを中心にじわじわ広まったワード「#令和の米騒動」。
かつての社会運動とはまったく違い、「白米への愛と中毒性」をネタにした、現代版“お米ギャグ”タグとして爆誕しました。
きっかけは、Z世代ユーザーの投稿。
「もう米しか勝たん。#令和の米騒動」
「炊き立てご飯に明太子。暴動起きるレベルでうますぎた」
「パンや麺は浮気、米が本命」
このような“ふざけ半分・本気半分”の共感ギャグがバズり、#令和の米騒動というタグが独り歩きし始めました。
なぜウケた?
-
✅ 老若男女問わず“米派”が多いから
-
✅ ダイエット・糖質制限が流行った反動
-
✅ 「白米さえあればOK」の共感と笑いの絶妙バランス
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✅ PRやCMが増えたことで一般層にも拡散
そこに企業やインフルエンサーも便乗しました。
-
大手食品メーカーが「白米に合う新商品」の投稿にタグを使用
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料理系インフルエンサーが“白米でバズる”レシピにあえて使用
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米農家のアカウントが「これは令和の米騒動です」と真顔で紹介
関連ワード&派生ハッシュタグ
派生タグ | 内容例 |
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#ご飯泥棒 | おかず系(明太子・納豆など) |
#お米しか勝たん | 白米愛のシンプルな主張 |
#炊き立ては正義 | ホカホカ感の訴求 |
#白米大好き選手権 | TikTokでの人気チャレンジ名 |
今では社会問題となってる米騒動もきっかけはZ世代だったんです。
深掘りしていくと面白いですよね。
2. Z世代的“造語センス”を深掘り
Z世代は、社会や自分自身を軽やかに“言葉遊び”で表現する感性に長けています。
- 「ギャルい」
- 「エッホエッホ」
- 「じわじわくる」
などは意味の詳細な説明が不要なまま広がっていきます。
これは“共感先行型”の言語使用といえるでしょう。
また、Z世代はオンラインで言語を生み出し、それをリアルに持ち込む“ネット先行リアル反映型”の世代でもあります。
TikTokやXで見た言葉を学校や職場でそのまま使うことで、バーチャルと現実の言語が融合する現象が見られますね。
さらに、ハッシュタグはZ世代にとって単なる検索用語ではなく「自分と似た価値観を持つ仲間を探す」ためのツールでもあります。
#親ガチャ や #推しは推し など、自己の立場や考え方を明確にするタグは、コミュニティ内での信頼獲得や安心感の土台にもなっています。
このような“共鳴型の言語文化”が、Z世代のコミュニケーションスタイルを大きく特徴づけているのでしょうね。
3. SNS別:プラットフォームごとの流行タグ例
TikTokで人気のタグ例:
- #置き換えチャレンジ:服装や人の入れ替わりを瞬時に切り替える編集技術が注目され、TikTokの編集文化と相性が良い。
- #声出して笑った:面白動画の定番タグ。コメント欄の「本当に声出た」の共感がトレンド化。
- #推し活記録:推し(アイドル・アニメ・VTuber等)との日常を記録する動画に多用。ファン同士のつながりが形成されやすい。
X(旧Twitter)で伸びたタグ例:
- #今週の愚痴:学校やバイト、人間関係などの“吐き出し場”として使用。
- #Switch2転売:転売に対する怒りや失望、抽選落選報告などが集中した。
- #令和の○○シリーズ:#令和の米騒動 や #令和の玉音放送 など、時事ネタや歴史的事件を現代版に変換する高度な言語遊び。
Instagramでの流行タグ例:
- #リンクコーデ:カップル・親子・友人で服装を揃える投稿。
- #6月の思い出:月ごとに思い出を写真でまとめる習慣。
- #くすみカラー部:落ち着いたトーンのファッション・雑貨が主役に。世界観重視の写真文化と相性が良い。
4. ハッシュタグは“感情を共有する手段”へ
Z世代にとってハッシュタグは、単にバズるための手段ではありません。
「怒り」「幸福」「諦め」「共感」など、あらゆる感情を整理・共有する“心のインターフェース”となっています。
たとえば、
- #転売ヤー絶滅しろ は怒りの爆発を
- #これが私の幸せ は幸福の可視化を
- #今の気持ちをGIFで表すと は言語化不能な感情の共有を
それぞれ担っています。
このように、タグの使用目的が「分類」から「共鳴」に変化しているのがZ世代の特徴です。
この変化は、SNSを単なる発信の場から“感情の交差点”へと進化させている証拠でもあります。
ハッシュタグは現代の共感エンジンであり、ネット社会で孤立しないための“絆”とも言えるのです。
さらに近年では、こうした感情共有タグがきっかけで、リアルイベントや交流の場が生まれるケースも増えています。
#ギャル会議 や #Z世代カフェ など、タグからリアルへ展開する動きも注目されています。
Z世代の多くが「共感=正義」と考える傾向にあり、自分の思いを分かち合えるハッシュタグは精神的セーフゾーンにもなっています。
5. 今後の流行予測|Z世代の言語トレンドはこうなる?
- 一周回って昭和:レトロ・懐古ブームがZ世代にも波及。「平成ギャル再評価」「昭和カラオケ縛り」などの投稿が注目されています。
- AIやChatGPTネタ:#ChatGPTに聞いてみた など、AIとの日常的な関わりをタグで遊ぶ動きが拡大するかもしれません。
- 新しい価値観のタグ:#推しは推し(ジャンル混在の推しOK)、#好きは好き(性別や常識にとらわれない恋愛感情)など、自由でフラットな感情表現が流行るかも?
- 就活&社会風刺ネタ:#内定ください2025、#ブラック企業のリアル、#令和の年功序列 など、Z世代の現実と戦う姿勢もハッシュタグに反映されていくと予想されます。
- 生成系画像・自作AI動画タグ:#AIで描いた私の夢、#推しがAIで踊る など、ツールと創造が結びついた表現が台頭。
- 自己肯定系タグの拡張:#私は私、#無理しない、#幸せの定義 など、自己認知と肯定感を支えるハッシュタグが急増するかな…。
まとめ
Z世代のSNS活用は、「言葉」と「感情」の共鳴によって進化を続けています。
トレンドワードやハッシュタグは、単なる遊び道具ではなく、社会への皮肉、自己表現、仲間探しのツールへと拡張しています。
ときに怒りや違和感をタグで共有し、ときに推し活やネタ投稿で癒やし合う——そこには“Z世代的感性”の集約があります。
Switch2の転売問題のような社会的テーマも、#令和の米騒動 や #Switch2転売 といった形で笑いや共感を通じて昇華され、個人が持つ感情を広く社会とつなぐハブになっているのです。
Z世代が生み出す言葉やタグは、時代の感情を写す鏡であり、同時に未来のカルチャーの設計図でもあります。
これらの動きを読み解くことは、Z世代との信頼構築やコンテンツ戦略において、極めて重要なヒントとなるんじゃないでしょうか。