夏の自転車トラブルを未然に防ぎましょう。
炎天下での熱中症や脱水、高温で起こりやすいタイヤの破裂・パンク、走行中のチェーン外れ、雨上がりのブレーキ低下まで、夏に増えるリスクをやさしく解説します。
通勤・通学、レジャーや花火大会へ出かける前に、いま知っておきたい原因・予防法・その場でできる対処をまとめます。
記事後半では、暑さ対策の保冷ボトル&ボトルケージ、いざという時のパンク修理キット(100均で揃うものも)、携帯チェーンオイル、レインポンチョなどの便利グッズ2025年版も紹介。
家族での外出に役立つ子ども用ヘルメットの選び方や夏の駐輪マナーまでカバーし、夏でも快適・安全な自転車ライフをサポートします。
まずは本記事でサクッと予習して、安心して出かけましょう。
この記事の目次です
夏に多い自転車トラブルとは?
熱中症と脱水症状
真夏に自転車へ乗ると、体は走っている間も熱をどんどんため込んでしまいます。
特に帽子をかぶらずに日差しを浴び続けたり、水分を摂らずに長時間こぐと、体温が上がりすぎて熱中症を起こすリスクが非常に高くなります。
最初は「少しフラッとする」「頭が重い」程度でも、そのまま乗り続けると意識を失って転倒する危険性もあります。
自転車は徒歩よりも風を受けて涼しく感じやすいため、体が実際よりも元気に思えてしまうのが落とし穴。
- 喉が渇いていなくても、20〜30分に一口ずつ水を飲む
- 塩タブレットや経口補水液を持ち歩く
- 帽子や日よけアームカバーを着ける
など、事前に対策することが大切です。
高温によるタイヤ破裂やパンク
夏はアスファルトの温度が50〜60℃まで上がることがあります。
その熱でタイヤ内の空気が膨張すると、タイヤのゴムが耐えきれず「バースト(破裂)」することも。
特に前日に空気をパンパンに入れて、直射日光の下に長時間駐輪していた自転車は要注意です。
乗ろうとした瞬間に「パンッ!」と大きな音がしてパンク、というケースも珍しくありません。
対策としては、空気を入れすぎない(適正圧力に調整する)、なるべく日陰や屋内に停める、直射日光の下に何時間も放置しないことが重要です。
女性や子どもがよく使うママチャリでも起こるトラブルなので、日常的に気をつけましょう。
チェーン外れ・サビ・注油不足
夏は突然の雨や汗でチェーンが濡れる機会が増えます。
そのまま放置すると金属が酸化してサビや固着の原因に。
サビたチェーンはペダルをこいだときに外れやすく、急に「ガクッ」と力が抜けて転倒するリスクがあります。
また、油切れのチェーンは「キーキー」と音がして走り心地も悪化。
女性や子どもが乗っていると急なチェーン外れに対応できず、転倒してケガにつながることもあります。
月に1度はチェーンを確認して、サビが出る前に専用オイルを差すのが基本。
もし専用オイルがなければ、応急処置としてミシン油やクレ556などでもOKです。
ペダルを回したときにギシギシ音が出ていたら、それは「注油不足のサイン」です。
雨上がりのブレーキ効きづらさ
夏は夕立やゲリラ豪雨で、道路が急に濡れることも多いです。
雨に濡れるとブレーキパッドとタイヤの間に水の膜ができ、ブレーキが効きにくくなります。
特にママチャリや子ども用自転車に多いリムブレーキは、制動力が落ちる傾向が強め。
普段と同じタイミングでブレーキをかけても「止まりきれない」ことがあるため、事故の原因になりやすいのです。
対策は、いつもより早めにブレーキをかける意識を持つこと。
雨上がりはスピードを控えめに、段差やカーブでは特に慎重に。
もし可能なら、雨の日はディスクブレーキ搭載の自転車を選ぶと安全性が高まります。
リムブレーキとディスクブレーキの違いとは?
ブレーキの仕組みを知っておくと、安全対策がより理解しやすくなります。
リムブレーキは、タイヤの外周部分(リム)をゴムのパッドで挟んで止める方式。
ママチャリや一般的な自転車に多く使われています。
軽くて安価、メンテナンスも簡単ですが、雨の日は効きづらいのが弱点です。
ディスクブレーキは、車輪の中心にある金属の円盤(ディスクローター)を挟んで止める方式。
最近のスポーツバイクやマウンテンバイクに主流で、雨や悪路でも安定した制動力を発揮します。
ただし、自転車自体がやや重く高価になり、メンテナンスも専門的です。
街乗りや通学中心ならリムブレーキで十分ですが、雨の日や坂道をよく走る人にはディスクブレーキ搭載モデルが安心です。
すぐにできる予防法と対策
水分・塩分補給で熱中症予防
自転車は風を切るので涼しく感じますが、実際には大量の汗をかいて体の水分が失われています。
喉が渇いたと感じたときにはすでに脱水が始まっていることも。特に女性や子どもは体が小さいため、体温が上がりやすく注意が必要です。
おすすめは、30分に1回は一口でも水を飲むこと。
スポーツドリンクや経口補水液、塩タブレットを携帯すればより安心です。
ペットボトルをそのままバッグに入れるより、自転車用のボトルホルダーをつけると、すぐ取り出せて便利です。
タイヤ空気圧と直射日光対策
夏の路面は熱で焼けるように熱くなり、タイヤの中の空気が膨張して破裂やパンクの原因になります。
特に「空気をパンパンに入れると走りやすい」と思っている人は要注意。
実は入れすぎは危険で、適正空気圧を守ることが大切です。
駐輪時はなるべく日陰に停める、またはカバーをかけるのがおすすめ。
アスファルトの上に何時間も置くと、タイヤのゴムが傷みやすく寿命も縮みます。
女性の方でも、駐輪場所を少し工夫するだけでトラブルを防げます。
チェーン点検と注油
チェーンは自転車の心臓部分とも言える大事なパーツ。
油が切れると「ギシギシ音」や「ペダルが重い」状態になり、外れやすくなります。
外出先でチェーンが外れると、スカートや裾が汚れるだけでなく転倒の危険も。
月に1回はチェーンを確認して、黒く汚れていたら拭く・乾いていたら注油が基本です。
専用オイルをホームセンターや100均で購入できます。
使い方は簡単で、チェーンの外側に数滴たらして、ペダルを数回回すだけ。
女性でも5分以内でできます。
雨の日&雨上がりの安全走行術
雨の日や雨上がりは、ブレーキが効きにくく止まるまでの距離が2倍以上になることもあります。
そのため、普段よりスピードを落として走ることが大切です。
また、マンホールや白線の上は濡れると滑りやすいので避けましょう。
ブレーキをかけるときは、一気に強く握るのではなく、ジワジワと力を加えるイメージで。
これだけでスリップの危険を大きく減らせます。女性や初心者でも意識するだけで安全性がぐっと上がります。
おすすめ便利グッズ【2025年版】
夏の自転車トラブルを防ぐためには、ちょっとした便利グッズを持っておくことが安心につながります。
最近では100均やネット通販でも入手できるものが多く、工夫次第で快適さと安全性が格段にアップします。
ボトルホルダー&保冷ボトル
真夏の自転車で一番重要なのは水分補給。
バッグにペットボトルを入れていても、走行中に取り出すのは面倒で、結果的に「飲むのを我慢してしまう」人が多いです。
そこで役立つのがボトルホルダー。
フレームに取り付けておけば、走りながら片手で簡単に水分補給ができます。
さらに保冷ボトルを使えば、炎天下でも2〜3時間は冷たさをキープ可能。
夏の部活帰りや花火大会への移動にも最適です。
価格目安:ホルダーは100均〜1,000円程度、保冷ボトルは1,500円前後。
パンク修理キット(100均でも入手可)
夏は高温でゴムが柔らかくなり、普段よりパンクのリスクが増えます。
特に夜間やイベント帰りにパンクすると、歩いて帰る羽目になり大変。そんなときに役立つのがパンク修理キットです。
セットにはゴムパッチ・やすり・接着剤が入っており、慣れれば10分程度で応急修理が可能。
最近は100均でも簡易キットが手に入るので、持っておくだけでも安心感が違います。
女性や学生なら、持ち運びしやすい携帯型の空気入れもセットで用意するとより安心です。
価格目安:100円〜500円程度で揃う(携帯ポンプ付きで1,500円前後)。
携帯型チェーンオイル
チェーンが外れる原因の多くは油切れ。
夏は特に雨や汗でサビやすいため、外出先でチェーンがギシギシ音を立てることもあります。
そんなときに便利なのが携帯型のチェーンオイル。
リップクリームほどのサイズでポーチにも入るので、女性や学生でも持ち歩きやすいです。
注油方法は簡単で、チェーンに数滴たらしてペダルを回すだけ。
走り心地がスムーズになり、チェーン外れのリスクも減ります。
価格目安:500円〜1,000円程度。
レインポンチョ・撥水カバー
夏は突然の夕立やゲリラ豪雨が多いため、レインポンチョやサドル用の撥水カバーは必須アイテムです。
ポンチョはリュックや肩まで覆えるタイプを選ぶと、服や荷物を濡らさずに済みます。
また、濡れたサドルにそのまま座ると服がびしょ濡れになるため、携帯できるサドルカバーを持ち歩くのもおすすめです。
100均でも購入可能で、荷物に入れておいても邪魔になりません。
価格目安:ポンチョは1,000〜2,000円程度、サドルカバーは100〜300円程度。
家族で出かけるときの注意点
夏は花火大会や夏祭り、キャンプなど、家族で自転車に乗って出かける機会も増えます。
ところが、子どもや高齢者を含めた移動は、思わぬトラブルや危険に直結することもあります。
ここでは、家族で安心して出かけるための注意点をまとめました。
子ども用ヘルメットの選び方
子どもは身長が低く、大人に比べて転倒時に頭を打つリスクが高くなります。
そのためヘルメットの着用は必須。
特に小学生以下は頭の骨がまだ柔らかいため、万が一の事故で大けがにつながりやすいのです。
選び方のポイントは以下の通り
- 頭のサイズに合っているか(大きすぎるとズレて意味がない)
- あごひもがしっかり固定できるか
- 軽量で通気性のあるタイプを選ぶ(夏でも蒸れにくい)
最近はデザイン性の高いものも多く、子どもが嫌がらずに着けられる工夫がされています。
購入時にはSGマークやCEマークが付いている安全規格品を選ぶと安心です。
炎天下の時間帯を避ける工夫
家族で出かける際に注意したいのが出発時間。
正午前後は気温が最も高く、熱中症リスクが一気に上がります。小さな子どもや高齢者にとっては特に危険な時間帯です。
おすすめは午前中の早い時間か、夕方以降の移動。
どうしても昼間に出かける場合は、こまめに日陰で休憩を取り、冷たい飲み物や保冷タオルを活用しましょう。
帽子・サングラス・アームカバーなど日差し対策グッズも必須です。
キャンプや花火大会での駐輪マナー
イベント会場に行くときに意外と困るのが駐輪スペース。
特に花火大会や夏祭りは駐輪場が混雑し、歩道や私有地に迷惑駐輪してしまうケースも見られます。
これがトラブルの元になりやすいのです。
事前に会場の公式サイトで駐輪場の有無を確認し、満車になる前に早めに到着するのが理想です。
どうしても停められない場合は、最寄り駅の有料駐輪場を利用するか、途中から公共交通機関に切り替えるのも安全策のひとつです。
また、夜間は駐輪場が暗いことも多いので、ワイヤーロックやライト付きの防犯グッズを持参すると安心です。
盗難防止にもつながります。
高齢者が一緒に出かける場合の工夫
高齢者は体力やバランス感覚が低下しているため、夏場の自転車移動は転倒や体調不良のリスクが高まります。
特に上り坂や長距離移動は負担が大きいため、電動アシスト自転車を活用するのがおすすめです。
また、移動中はこまめに声をかけ、体調を確認しましょう。
休憩スポットや自販機が多いルートを選ぶのも安心材料です。
季節別に見る自転車トラブルと注意点
自転車のトラブルは夏に限ったことではなく、四季それぞれに特徴的なリスクがあります。
ここでは春・梅雨・秋・冬と比較しながら、夏がなぜ特に注意すべき季節なのかを整理してみましょう。
春:花粉・強風・新生活シーズンの事故増加
春は気温も上がり、自転車に乗りやすい季節ですが、注意すべきは花粉症と強風です。
花粉症の症状で目がかゆくなったり、くしゃみで前方を見失うと事故につながります。
また春は突風が多く、横風でハンドルを取られて転倒するケースも。
さらに新学期・新生活で自転車に不慣れな学生や社会人が増えるため、交差点での接触事故も多発します。
春は「初心者が増える季節」として注意しましょう。
梅雨:雨と湿気によるサビ・ブレーキ不良
梅雨は連日の雨でブレーキ性能の低下やチェーン・ギアのサビが問題になります。
濡れた路面ではスリップ事故が増え、特に横断歩道やマンホールは滑りやすいため要注意です。
また、長雨で自転車を外に放置すると、サドルやカゴに水が溜まり不快感も。
防水カバーやサドルカバーの活用が欠かせません。
夏:熱中症・タイヤ破裂・ゲリラ豪雨
夏はこの記事で詳しく解説した通り、熱中症・脱水症状・タイヤのバースト・ゲリラ豪雨とトラブルが集中する時期です。
他の季節にもリスクはありますが、命に関わる危険性が高いのはやはり夏。
通学・レジャー・イベントなど利用頻度も多いため、十分な準備と対策が必要です。
秋:夕暮れの早まりと視界不良
秋は気温が下がって快適ですが、日の入りが早くなるため帰宅時間が暗くなりやすいのが特徴です。
ライトを点けずに走行すると、ドライバーや歩行者から見えにくく事故につながります。
また、落ち葉が濡れていると滑りやすいため、ブレーキ時のスリップにも注意が必要です。
冬:凍結路面と体温低下
冬は凍結した路面でのスリップ事故が最も多く発生します。
見た目には濡れているだけに見えても、実は「ブラックアイスバーン」になっていることも。
特に早朝・夜間の走行は注意が必要です。
また、寒さで体がこわばり、反応が遅れることで事故につながることもあります。
手袋や防寒具をしっかり準備することが大切です。
まとめ:夏は「命に関わるトラブル」が集中する季節
春・梅雨・秋・冬にもそれぞれ注意点がありますが、熱中症やタイヤ破裂といった命に直結するトラブルが増えるのは夏。
だからこそ、しっかり準備して臨むことが大切なのです。
よくある質問(FAQ)
Q1:夏はタイヤの空気を少なめにした方がいいの?
答えは「入れすぎないのが正解」です。
夏は路面温度が上がり、タイヤ内の空気が膨張するため、パンパンに空気を入れていると破裂(バースト)の原因になります。
ただし、少なすぎてもパンクしやすくなるためNG。
最も安全なのは、タイヤ側面に記載されている適正空気圧(PSI)を守ること。
ママチャリの場合は、指で軽く押して「少し硬いくらい」が目安です。毎回入れるのではなく、1〜2週間に1回チェックする習慣をつけましょう。
Q2:子どもの熱中症対策はどうしたらいい?
子どもは大人より体温調整が苦手で、熱中症リスクが高めです。
おすすめの工夫は以下の通りです。
- 帽子+日よけタオルで直射日光を避ける
- 水筒をボトルホルダーにセットして、すぐに飲めるようにする
- 信号待ちや休憩中は日陰で休ませる
- アームカバーやネッククーラーで体温上昇を防ぐ
また、少しでも「顔が赤い」「ぐったりしている」などの様子が見えたら、すぐに日陰に避難し、水分を与えて休憩させましょう。
Q3:ゲリラ豪雨にあったらどうする?
夏は突然の雨に遭遇することがあります。その場合はまず安全な場所に停車するのが最優先です。
走り続けると視界不良やスリップで事故につながります。
荷物や体を守るには、レインポンチョや簡易サドルカバーを常備しておくと便利。
特に100均でも売っている折りたたみタイプは、バッグに入れても邪魔になりません。
雨が強すぎる場合は無理に走らず、カフェやコンビニで雨宿りしてやり過ごすのが安全です。
Q4:チェーンが外れたとき、女性でも直せる?
はい、慣れていなくても数分で直せます。
方法はシンプルで、外れたチェーンを指でギアにかけ直し、ゆっくりペダルを回すだけ。
ただし手が汚れるので、使い捨て手袋やウェットティッシュを持ち歩くと便利です。
チェーン外れを防ぐには、定期的な注油と点検が一番の予防策です。
Q5:電動アシスト自転車は夏でも安心?
電動アシスト自転車は坂道や長距離でも楽に走れるため、高齢者や女性に人気ですが、夏特有の注意点もあります。
バッテリーは高温に弱く、炎天下に長時間置くと劣化や動作不良を起こすことがあります。
駐輪時は必ず日陰に停める、帰宅後は屋内で充電・保管するのがおすすめです。
また、真夏の長距離走行ではバッテリー消耗が早くなるため、出発前にフル充電しておきましょう。
Q6:サングラスやアームカバーは本当に必要?
はい、紫外線対策としても安全面としても有効です。
サングラスは眩しさを抑えるだけでなく、小石や虫から目を守る効果もあります。
アームカバーは日焼け防止だけでなく、直射日光による体温上昇を防ぐ効果もあるため、夏の自転車には必須アイテムです。
Q7:長距離移動のときに持っておくべきものは?
夏の長距離移動では、以下を持っておくと安心です:
- 保冷ボトル(水分補給用)
- 塩タブレット・飴
- 小型空気入れ+パンク修理キット
- チェーンオイル(携帯サイズ)
- レインポンチョ or 折りたたみ傘
- モバイルバッテリー(スマホの地図・ライト用)
「ちょっと荷物が多いかな?」と思っても、トラブルに遭遇したときの安心感は大きいです。
実際に起こった夏の自転車事故・トラブル事例
夏休み期間中は、自宅からわずか500m以内での自転車事故が増加しています。
特に小中学生の事故が目立ち、ちょっとした油断が重大な事故につながるケースもあります。
事例①:小中学生の自転車事故が多発中(大阪府警まとめ)
- 夏休み期間中、小中学生の自転車・歩行者事故のうち約半数が自宅から500m以内で起こっているというデータがあります。
- 多くのケースで「自宅近くだから」と注意が緩み、飛び出しや一時停止違反などで事故につながっています。
特に男児の事故が多く発生傾向にある点も見逃せません。
近所での移動ほど、スピードを控え、安全確認を徹底することが重要です。
事例②:熱中症による転倒事故(京都府)
真夏の通学中、中学生が熱中症で意識を失い、転倒・軽傷を負った事例があります。
迅速に水分補給や家族の付き添いがあったことで、大きな事故には至りませんでしたが、予防の大切さを改めて示すケースです。
事例③:タイヤ破裂による転倒・破損事故(千葉県)
夏場に炎天下でタイヤの空気圧が上がりすぎ、破裂して転倒した上、自転車にも大きなダメージが出たケースがあります。
このように高温下での空気圧の管理を誤ると、思わぬ事故につながります。
事例④:夕方の逆光での歩行者との接触事故(愛知県)
夕方、逆光で視界が悪い中、歩行者に気づかず接触した結果、高額な損害賠償が発生した事例も報告されています。
このような時間帯は、サングラスなどの視界対策が非常に効果的です。
これらの実例からわかるのは、「油断や準備不足」が、小さな事故を大きなトラブルに変えてしまうということ。
実際の被害を防ぐには、事前の対策が鍵になります。
出発前のチェックリスト
夏の自転車は、ちょっとした準備不足が大きな事故や体調不良につながることがあります。
出かける前に以下のチェックリストを確認するだけで、安全性と快適さがぐっと高まります。
① 水分・塩分補給の準備
- 保冷ボトルに水かスポーツドリンクを入れる
- 塩タブレットや塩飴をポーチに入れる
- 30分に1回は一口飲む習慣を意識する
「喉が渇いた」と感じたときにはすでに脱水が始まっています。
女性や子どもは体が小さく水分不足になりやすいため、必ず準備しましょう。
② タイヤとブレーキのチェック
- タイヤを手で押して「少し硬い」くらいを確認
- ブレーキを握ってすぐ効くかを試す
- タイヤにヒビ割れや異物がないかを確認
夏場は空気が膨張しやすく、入れすぎはバーストの原因に。
出発前に「空気が多すぎないか」も忘れず確認しましょう。
③ チェーンとライト
- チェーンが黒く汚れていないか確認
- 必要ならオイルを1〜2滴たらして回す
- 前照灯・尾灯が点灯するかを試す
夜まで乗る予定がなくても、帰りが遅れて暗くなることはよくあります。
ライトの点検は「もしもの保険」として必ず行いましょう。
④ 服装と持ち物
- 帽子・サングラス・アームカバーで紫外線対策
- スカートやワイドパンツは裾バンドで巻き込み防止
- モバイルバッテリー・小銭・保険証のコピーを携帯
特に女性はファッション性を優先しがちですが、裾の巻き込みや日焼けによる体調不良もトラブルの一因になります。
見た目と安全を両立できるアイテムを選びましょう。
⑤ 駐輪場所の確認
- 目的地の駐輪場を事前に調べておく
- 混雑が予想されるイベントでは早めに出発する
- 防犯用のワイヤーロックを持参する
夏祭りや花火大会などのイベントでは、駐輪場所が見つからずにトラブルになるケースも多いです。事前リサーチで安心して楽しめます。
この5つを出発前に確認すれば、夏の自転車トラブルを大幅に減らせます。
「慣れているから大丈夫」と油断せず、毎回確認する習慣をつけましょう。
駐輪中・帰宅後のチェックリスト
出発前の準備だけでなく、外出先での過ごし方や帰宅後のケアも自転車の寿命と安全性に直結します。
ここでは「駐輪中」と「帰宅後」に気をつけたいポイントを整理しました。
① 駐輪中に気をつけたいこと
- 直射日光を避ける:炎天下に長時間放置するとタイヤの空気圧が上がりすぎてバーストのリスクが高まります。
できるだけ日陰や屋根付きの駐輪場を選びましょう。 - 高温でのバッテリー劣化に注意:電動アシスト自転車の場合、バッテリーは特に熱に弱いため、直射日光下では取り外して持ち歩くのがベスト。
- 盗難防止:混雑するイベント会場では盗難のリスクも増えます。
ワイヤーロック+地球ロック(二重施錠)を徹底しましょう。 - サドルカバーの活用:夕立や突然の雨でサドルが濡れると座れなくなります。
100均の簡易カバーやビニール袋を常備しておくと便利です。
② 帰宅後にしておきたいケア
- 汗・雨で濡れた部分を拭く:フレームやチェーンは濡れたまま放置するとサビの原因に。
帰宅後は乾いた布でさっと拭くだけでも効果的です。 - チェーンの状態を確認:音がギシギシしている場合は軽く注油。
数滴たらすだけで走行感が大きく変わります。 - タイヤのチェック:走行中に異物を踏んでいないか、釘やガラス片が刺さっていないかを確認。
小さな異変でも早めに気づけばパンクを防げます。 - バッテリー管理:電動アシスト自転車は帰宅後すぐに充電せず、1時間ほど涼しい場所で冷ましてから充電するのがベスト。
劣化を防ぎ寿命を延ばせます。 - 室内保管がおすすめ:可能であれば玄関やベランダに保管し、夏の高温や湿気から守ることで長持ちします。
「乗ったら終わり」ではなく、駐輪中と帰宅後のちょっとした工夫で、自転車はずっと快適に使えます。
特に夏は劣化や故障の進行が早いため、日々のケアが安心につながります。
まとめ|夏の自転車は「準備」と「意識」で安全に楽しもう
夏の自転車は、爽快感がある一方で熱中症・タイヤ破裂・ゲリラ豪雨・視界不良など、命に関わるトラブルのリスクが一気に高まります。
実際の事故事例からも分かるように、「ちょっと近所まで」の油断が大きな事故につながることは珍しくありません。
今回の記事では、
- 夏に多い具体的なトラブルと原因
- すぐに実践できる予防法・対策
- 子どもや高齢者と出かける際の注意点
- 季節別トラブル比較で分かる「夏の危険度」
- FAQ形式での疑問解消
- 実際の事故・トラブル事例
- 出発前・駐輪中・帰宅後のチェックリスト
などを幅広く解説してきました。
ポイントは「事前準備」と「小さな意識の積み重ね」です。
水分を持つ、空気圧を確認する、日陰に停める、帰宅後にサッと拭く。
ほんの数分の行動が、事故や故障を防ぎ、家族の安心を守ります。
また、子どもや高齢者と一緒に出かける場合は、体調確認や駐輪場所の下調べなど、少し余裕を持った行動が安全につながります。
特に夏は「快適さよりも安全を優先する」という意識が大切です。
この記事を読んだ今日からでもできることはたくさんあります。
ぜひチェックリストを活用して、安心・快適な夏の自転車ライフを楽しんでください。
夏の自転車は「安全+備え」が大切
夏の自転車は、熱中症・ゲリラ豪雨・タイヤトラブルなど予想以上のリスクがあります。
家族みんなで対策を意識し、安全で快適な夏のライドを楽しみましょう。
安心して自転車に乗るために
自転車事故・盗難・損壊にもしもの備えをしておけば、より安心です。
オプションの保険を検討してみるのも賢い選択肢です。
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