『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』考察レビュー|観客の感情を精密に誘導する傑作!大九明子監督、到達点のその先へ はじめに|「恋愛映画」というジャンルを越えて 2025年春、静かに公開された1本の日本映画が、観る者の内側をそっと、けれど確実に揺さぶっていきました。 『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』。 ※6月23日現在でも公開されています。 恋愛映画の枠に収まりきらず、その枠を内側から突き破っていくような、異様な熱量と精密さを持った作品です。 監督・脚本は、大九明子さん。 これまで 続きを読む
【再評価】冨永昌敬×大九明子が描く“私たち”の物語──『南瓜とマヨネーズ』『勝手にふるえてろ』 はじめに 最近再注目されている『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』や『ぶぶ漬けどうどす』。 それらを撮った監督たちが、実はすでに過去にとんでもない傑作を世に出していました。 それが、冨永昌敬監督の『南瓜とマヨネーズ』、大九明子監督の『勝手にふるえてろ』です。 この2本を観た時の衝撃は、いま思い返しても強烈に記憶に残っています。 『南瓜とマヨネーズ』:音と余白の中 続きを読む